【戦評】楽天のCS完全消滅。終戦へ~11/4●楽天7-8オリックス
今のチーム状況を表す2連敗
オリックスに敗れて、2年ぶりの借金4。単独2位浮上した西武が大勝したため、楽天のCSは完全消滅に。石井GM就任以降、大型補強を繰り返して真に優勝を狙うチーム作りをしてきたが、今季の挑戦が“終戦”した。
則本と涌井を注ぎ込みながら、最下位に2連敗。
これが今のイーグルスの偽らざる実態だ。
1位から26.5差も引き離されたオリックスは、来季を見すえた消化試合ムード。この3連戦の直前には若手に出場機会を与えるために、ディクソン、ヒギンスら大量6人を抹消した。
本戦のスタメンも、佐野(1軍通算143試合)、西浦(128試合)、頓宮(37試合)、紅林(2試合)、宜保(17試合)と若手が多数名を連ね、先発も経験に乏しい竹安だった。
主砲・吉田正も自打球の影響に加えて、柳田と争う首位打者&最多安打のタイトルの兼ね合いでスタメンを外れるケースが続いており、この3連戦の初戦も代打のみだった。
一方、CSの可能性を残した楽天は現状のフルラインアップ。
それなのに、この失態なのだ。
確かに今季はオリックスに分が悪い。
しかし、同じく9月まで4勝10敗1分とロッテに分が悪かったソフトバンクは10月に入ると7勝1敗。完全に苦手を払拭しVを決めたのとは、あまりにも対照的だ。
それだけチームがバラバラだということなのだろう。
首脳陣と選手の間に距離感が生じ、投打の信頼関係も失われ、一部メディアが書き立てるように生え抜きと移籍組の間にも隙間風が生まれているのかもしれない。
不透明になってきた涌井の最多勝
初戦は則本による毎度おなじみの背信投球。
この人は2017年以降、24.4%の確率で1試合5失点以上を喫している。
約4試合に1試合は炎上するのが、悲しいかな、楽天のエースを務めている。
2戦目の本戦は、最多勝を狙う涌井が5回6失点した。
8月まで防御率2.25、QS率80.0%とチームを牽引した34歳は、9月以降は5.08、60.0%とガス欠に。
本戦で許したヒット9本が、スタミナ切れを象徴していた。
じつに8本が、捕手が要求したコースに投げ切ったもの。
逆球を打たれたわけではなく、狙ったコースどおりの投球を(なかにはポテンヒットなど不運な当たりもあったが)弾き返されてきた事実は、涌井の球に球威や切れが乏しかったことを裏付けると思う。
それにしても、問題は最多勝争いだ。
同日、千賀が8回103球無失点で涌井と並ぶ11勝目。
防御率を2.16とし、オリックスの山本の2.20を抜いて単独1位へ。
奪三振は山本と並ぶ1位タイ149個に到達した。
これを受け、、、
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