【記録】 CSW%で診る2022年楽天イーグルス先発投手のベストピッチ10選
投手の出来を測るCSW%とは
今回は、楽天イーグルス先発投手の2022年ベストピッチをCSW%で選んでみたいと思う。
投手の出来を評価する物差しは、複数ある。最もポピュラーなものは勝敗や防御率だと思う。その次にクオリティスタート、投球回というご意見もあるかもしれない。
今回はそれらではなく、CSW%という聞き慣れない指標で選んでみたい。
僕のnoteマガジン読者さんなら今年何度もご紹介してきたので耳タコですが、改めて説明すると米データサイト「fangraphs」で採用されている指標の1つだ。Called swinging strike percentの略で、球数に占める《見逃しストライク》と《空振り》の比率を表している。
野球は打者がバットに球を当てたら、どうしても投手にとって悪い結果になるリスクが発生してしまう。インフィールド打球の約3割がヒットになる構造のスポーツになっている。
実際、今シーズン山本由伸(オリックス)のインプレー打球は27.1%がヒットになっていた。広島の若きエース・森下暢仁に至っては32.8%で、楽天の田中将大は30.0%だった。
そのことを踏まえると、投手にとって最も安全な方策は、打者のバットに球を当てさせないでストライクを稼ぐ能力になるわけだ。そう!《見逃しストライク》と《空振り》は、きわめて重要になってくる。
ちなみに、参考までに今季の楽天先発陣のCSW%平均は28.0%だったことを付記しておきたい。
さて、下から順々に見てまいりましょう!
●10位:CSW%34.65%、5/19○E7-2M(ZOZOマリン)の岸孝之6回6安打2失点
全101球中、見逃しストライク26球、空振り9球。
ロッテの両外国人にソロ2発を浴び、2点先行される展開に。しかし6回を最少2失点にとどめた粘投が、直後マルモレホスの満塁弾を含む味方打線一挙6得点の逆転劇を呼び込んだ。
ハイライトは1点差の6回裏2死2,1塁の攻防か。福田秀平を空三振! ストライクの内訳は空振り2球、見逃しストライク1球。とくに手を出させず追い込むことに成功したインコースいっぱいの142キロは白眉。
●9位:CSW%34.69%、4/20○E4-2F(楽天生命パーク)の岸孝之7回3安打無失点
いたって通常運転だった。
岸の凄さはCSW%が最優秀防御率を記録した2018年と全く同じ29.9%を維持しているところ。
この日は全98球中でCSW34球(見逃しストライク22球、空振り12球)。そのうち自慢の快速球で21球をマークし、結局、真っ直ぐでヒットを許さなかった。
試合後BIGBOSSが絶賛。「岸君は、いいっすねぇ。こっち(1塁側ベンチ)から見てても、アウトコースいっぱいの低めの『えー』っていうボール(がストライク)。いいとこに投げるわぁ」
●8位:CSW%35.1%、6/28○E-B(ほっともっと神戸)の則本昂大8回途中9安打1失点
相性の良さを活かし、神戸ではキャリア通算4戦4勝。
全111球、見逃しストライク26球、空振り13球、ノリにしては見逃しストライクが多く、ゴロ率78.9%と打球管理も上々。5回1死までパーフェクト投球は今季の楽天先発陣で最長だった。
みどころは・・・(続く)
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