【試合感想文】 4/8楽天4-5ロッテ:作戦系の失敗と同じく疑問残った2回楽天ベンチの采配
8回表はみごとな逆転劇だったが
霧雨混じりの曇天のもと繰り広げられたロッテ1回戦。
2時間52分の戦いは、8回の表と裏に明暗分かれるかたちになった。
2点を追いかけた8回表はみごとな逆転劇だった。
マウンド上は澤村拓一。
前回ロッテに在籍した2020年、楽天は10打数1単打、4三振、2四球に抑えられ、1点も奪うことができなかった。バットを振りにいくこと18球も10球で空振りを喫するなど、筋骨隆々のパワーピッチの前に成すすべなかったのだ。
しかし2年6ヵ月ぶりの再戦では、違う姿をみせてくれた。
立役者は浅村栄斗である。
先日300二塁打を達成させたばかりの主将が、この日ベンチスタート。
主砲がスタメンをはずれたのは2021年9/10以来で、試合前から周囲をざわつかせていた。
Twitterにも書いたが、おそらく今の調子に加えて、相手先発・小島和哉との相性もあるのだろう。
昨年、浅村はロッテ左のエースの前に19打数ノーヒットに封じられていた。
8回先頭、ベンチで出番を待っていたその背番号3が満を持して代打起用される。
わずか2球で追い込まれる苦しいアットバット。
そこから必死にフルカウント8球勝負までもっていくと、ラストは154キロを応戦した。三遊間深部へ到達する内野安打で出塁した。
1死後、小深田大翔も続く。
昨年150キロ越えで打率.290/OPS.717の好成績を残し、今年も4/6●E1-2Lでアウトになったもののティノコの155キロを鋭い遊直にしていたコブが、澤村の153キロをひっぱり1,2塁間ゴロ突破の右安へ。
そして1死2,1塁でフランコだ。
久々に仙台に現れた優良外国人が、助っ人にふさわしい超弾道を演出。
楽天は4-3と一気に逆転へ成功!
と、ここまで良かったのだが・・・
ボール先行3-1からの真っ直ぐはアリだと思う理由
8回裏2死1塁、西口直人がこの日1軍昇格したばかりの平沢大河に逆転決勝2ランを被弾。
延長10回清宮にサヨナラ打を弾き返された4/1●E3-4xF以来、今季2度目の逆転負けになってしまった。
平沢2ラン被弾の結果球は、ボール先行3-1からのストレートだった。
打者有利カウントで真っ直ぐとは、正直すぎると思う方もいるかもしれない。
しかし、僕はストレートを投げること自体は間違いではないと思う。
西口の球種の中で最も良いのは真っ直ぐだと思うからだ。
実際、セットアッパーに定着した2021年以降、西口は3-1から75.0%の割合でファストボールを投じてきた。もちろん、相手も打ち返してくるわけだが、インプレー打球の結果は9打数1単打と、投手不利の状況にもかかわらず圧倒していた。
だから、この場面も細かなコントロールは気にせずゾーンめがけて腕を振って自慢の快速球を臆することなく投げ込んでほしかった。
悔やまれるのは、カウントを取りにいくことを優先してしまった点だ。
中日スポーツの報道によれば、「置きにいった球を打たれてしまった」とある。腕を振って投げ込んでくれさえすればよかったのに、置きにいってしまっては本末転倒だ。
それでも、ZOZOマリンにいつもの外野から本塁方向の浜風が吹いていたら、結果は塀際失速の右飛に収まっていたかもしれない。
この日は終始いつもとは違う本塁からセンター方向、ときどきライト方向の風速2mだった。高々と打ち上げたフライだったため、風にも乗った部分は少なからずあったと推測される。
疑問に感じた2回表の攻撃
試合後、石井監督も「ああいう作戦系はうまく進めていかないと、なかなか歯車がかみあわない」と振り返った2回表の攻撃は、悔やまれる結果になった。
先頭の4番・島内宏明が4-1から、5番・阿部寿樹が4-0から2者連続四球。
小島の制球が乱れて楽天は労せずして無死2,1塁のチャンスを作ったシーンだ。
続く6番・黒川史陽がバント失敗の捕バ邪飛に。
7番・山﨑剛が外の球をひっかけて、1-6-3の併殺に倒れてしまった。
今シーズンは走者2,1塁でのバント失敗が目立つ。
4/1●E3-4Fでは2回無死2,1塁、山﨑剛が一バゴに。4/4●E0-4Lも3回無死2,1塁で太田光が投バゴに倒れてしまい・・・(続く)
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