【検証】 今年も『岸孝之>則本昂大』か?! ノリはV逸の戦犯か?!
岸孝之>則本昂大
今年も『岸孝之>則本昂大』だったのか。
楽天ファンの中でこんな感慨を持つ野球好きは、きっと多いはずだ。
思えば、岸がFA移籍してきた2017年以降、エースは則本だが、エースの仕事は常に岸に譲ってきた感がある。
たとえば、炎上率。1試合5失点以上を喫した試合の比率は、下記表のとおり。則本は常に高い頻度で燃やされ、岸は常に低く抑えてきた。安定感という観点で言えば、完全に岸に軍配が上がっていた。
今年も同じ傾向を踏襲し、則本19.0%に対し、岸13.6%だった。
移籍6年目の岸は12月に38歳を迎えるにもかかわらず、意気軒高。
勝敗こそ8勝10敗と負け越し、10勝8敗の則本に譲るかたちにはなったが、防御率3.19。投球回141回は規定に惜しくも2イニング足りなかったものの、チーム2位と役割を務め上げた。QS率68.2%は堂々のチーム1位である。
いっぽう、則本は防御率3.53に終わり、QS率47.6%は、な・・・なんと!キャリアワースト・・・
6/12○E9-2GではNPB史上141人目の通算100勝と同182人目の1500投球回を同時達成するメモリアルゲームもあったが、5試合連続初回失点もあったように、序盤に失点して早々に流れを手放すケースが多かった。
5回8安打5失点と攻略されてチームが今季初の4位転落した7/22●E4-9Lで地元・河北新報、サンスポは「覇気なし」「背信KO」とバッサリ。
夏の甲子園を制した仙台育英が地元凱旋した8/23●E6-15Hでは、柳田悠岐、周東佑京、牧原大成ら主力がコロナで大量離脱した筑後ホークスを楽天生命パークに迎え撃ったものの、3回9安打6失点と返り討ちに遭い、チームの今季最多失点に加担した。
則本はV逸の戦犯か?!
このように振り返ると、2022年も『岸孝之>則本昂大』と思う方は、かなり多くなると思う。西川遥輝とともに、チームの後半戦失速や9年連続V逸の象徴的存在にもなってしまった。いわば、戦犯。そういう認識の方々も多いだろう。
しかし、待ってほしい!
今シーズンに関して言えば、そうとも言い切れない事情がある。
今季、則本は常に厳しい戦いを強いられてきた。
いっぽう、岸は恵まれた環境で投げてきた。
ということなのだ。
このことを考えると、ノリに基本辛口な僕ですら、今季だけは『岸>則本』とは言えず、ノリも難しい条件下で粘投したという評価になる。則本は戦犯ではありません!
まずは、下記表をご覧ください。両人の今季成績を一覧にしたもの。
湖国出身右腕のタフなシーズンは、下記表で十分に確認することができる。
注目すべきは・・・?
今季のノリは開幕直後3/31にコロナ罹患が判明。39度台の発熱も経験し、再び戻ってきたのは雨中粘投の5/1○E2-1Hだった。以降コンスタントにハイクオリティスタートを記録する活躍をみせたが、カレンダーが7月に入ると一気に調子を崩してしまった。
いっぽう、岸はシーズン通して安定していたことが表中でも一目瞭然なのだ。
しかし、ここでぜひ注目したいポイントは・・・(続く)
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