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【試合感想文】 7/7○ソフトバンク5-6楽天:最終回の大ピンチで活きた孤高の奪三振能力

孤高の奪三振能力、進化したK/BB

6点差が最後は1点差に。首位をゆく若鷹軍団の猛追をかわして、イーグルスが3連勝を飾った。3連勝は6/8○T4-6E~6/10○D0-1E以来の今季3度目だ。

最終9回はヒヤヒヤだったが、松井裕樹の本領が発揮された。

3番・近藤健介、4番・柳田悠岐の連打で無死3,1塁の大ピンチ。
今季3度目のブラウンセーブが脳裏をよぎる。

しかし、空三振、三走釘付けの浅い中飛、最後も空三振!
後続に全く仕事をさせずに、ねじ伏せてみせた。さすがだった。

背番号1が持つ高い奪三振能力が存分にいかされたシーンになった。

ところで、みなさん薄々気づいていると思いますが、これは来週アップされる河北新報さんのコラムでもチラッと書きましたが、今季の楽天投手陣は奪三振能力が異様に低い。目下、K/9はリーグ平均7.46のところ6.55である。

この数字は球団史上ワースト4位なのだ。

ワースト4位までの数字をリーグ平均値と比べてみると下記のとおり。他の年はリーグ平均でも奪三振率が6個台と低かったところ、楽天も低かったという年だったが、今年はリーグ平均では7個台半ばを記録するのに、楽天だけ低いままという状況。平均との差で比べたら、事実上のワーストだと思う。

2005年 5.83(6.58)
2006年 6.39(6.62)
2012年 6.44(6.15)
2023年 6.51(7.46)

という感じで味方投手陣がなかなか三振がとれずに苦しむなか、松井裕は今年も12.51と孤高のK/9を維持している。

もっといえば、今年は四球を出すケースがめっきり減った。それにより、俗に制球力を表すK/BBは自己最高7.60。本人のキャリア通算が2.88なので、今季のパフォーマンスの高さを確認できるはずだ。

大ピンチを迎えた後、一気にトップギアに入れ、相手打者のスイング7球中5球で空振りを奪取した光景は圧巻すぎた。

とくに無死3,1塁で牧原との対決だ。
4球勝負の空三振は、さすが楽天バッテリーはわかっている!と感じた。

本noteでは何度も言及しているように、この人は球界屈指のフリースウィンガーである。安打以外の出塁率がめっちゃ少なく、キャリア通算.023、今季も.021しかない打者だ。ということはボール球にもふつうに手出ししてくれる。

下記に配球図を掲載してみましたが、

9回無死3,1塁 牧原大成vs松井裕樹 (赤=ストレート、青=フォーク)

ご覧のとおり、全4球見逃せばボール球だった。

1死3,1塁、柳町のところで帰ってきたデスパイネが代打起用された。
1-0から浅い中犠飛。さすがに・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2023』でどうぞ。

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。月10回以上を所収。ただいま新規読者さん募集中!

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