【試合評】石井楽天、初陣を飾る!~2/13○楽天8-3ロッテ

投打かみ合い、8-3で初陣勝利

悪天候で試合開始が1時間遅れた今季初の対外試合。石垣キャンプを打ち上げて沖縄本島入りしたロッテを金武に迎え撃った一戦は、石井楽天が初陣を8-3で飾った。

◎両軍のスタメン
楽天=1番・辰己(右)、2番・田中和(中)、3番・小郷(左)、4番・和田恋(一)、5番・渡邉佳(三)、6番・石原(指)、7番・黒川(二)、8番・田中貴(捕)、9番・村林(遊)、先発・瀧中(右投)

ロッテ=1番・藤原(中)、2番・高部(右)、3番・菅野(左)、4番・安田(三)、5番・中村(二)、6番・佐藤(捕)、7番・山口(一)、8番・藤岡(遊)、9番・吉田(指)、先発・中村弥(左投)

一発なし。つなぎの中から8得点

若手中心の打線は二桁安打をマーク。全般的にバットを振り切る迷いのないスイングが目立った。

4回以降、集中打に相手の四球やエラーを絡め、ホームランなしでつながりの中から8得点をあげた点は、大きな収穫と言えそうだ。

投手陣は瀧中(2回)、池田隆(2回)、菅原(0.0回)、津留崎(2.0回)、引地(2回)、渡邉佑(1回)とつなぎ、7安打に抑えた。

突如本降りの雨に見舞われた5回には菅原が安田の投手強襲安打を右臀部付近に受けて負傷降板するアクシデントに見舞われたものの、8回に引地が3失点した以外は各員ゼロを入れてみせた。

辰己と石原が外野複数安打

そのなか目を引いたのは、外野にマルチヒットを弾き返した辰己と石原だ。

昨年ISOを.089→.155へ改善し長打力が増した辰己は、右中三、左安。2本とも追い込まれる前の身体近くに入ってきた球を仕留めている。

いっぽう、石原は追い込まれながらも、左中三、四球、左越二と4打席で3出塁。豪快な打撃で生み出した2本の長打は、いずれもタイムリーになった。

今年にかける思いがひしひし伝わったのは、高卒6年目を迎えた村林。

昨年は1軍出場3試合に終わりプロ初の減俸更改を味わう悔しい1年に。しかし、2軍では打率.295でイースタン最多安打を記録し、ファーム日本選手権でMVPを受賞するなど、一皮むけた印象を僕らに与えてくれた。

そんな背番号66が攻守走で躍動。バットでは6回無死1塁、高め速球をおっつけて右前へ運び、無死3,1塁を作る理想の仕事ぶり。直後にはすかさず二盗成功。

その後1死3,2塁、田中和の中犠飛のときは、センター正面前方の飛球ながらも2塁からタッチアップを切り、外野からの返球を一足先に制して3塁を奪取する好走塁をみせている。守備でも1回1死1塁、菅野の三遊間の打球を逆シングルで処理し6-4-3の併殺網にかけた。

同じく昨年出場機会を大きく減らした渡邉佳も、好プレーを披露した。

この日はサードで先発出場。昨年ファームで23試合ホットコーナーを任されながら失策ゼロだった実績が生きた形になった。降雨で状態不良の内野土のグラウンドに転がった三塁線前方、三遊間前方のボテボテを果敢に前進処理し、1塁ランニングスローを完成させている。

制球力光った瀧中の明瞭な2回無失点

投手陣は瀧中、津留崎、渡邉佑が印象に残った。

「#混ぜるな危険」の滝中は2つの三振を奪う2回1安打無失点の快投。

ストライク率は71.4%を誇り、ボール球が2球連続する場面はゼロ。相手先発の中村弥が逆球連発で制球に苦しんだのとは対照的に、捕手の要求したコースにほぼ全てを投げ切る本人納得の高性能ぶりをみせた。

松中臨時コーチの指導でスイングが格段に変わってきたと評判の安田にはカーブを多投して空三振に退けた。

1月下旬から日本でも突然流行り出した新SNS『Clubhouse』のフォロワー数が2,000人超いる津留崎も粘投を披露。

菅原の負傷を受けて、ブルペンで満足な投球練習もできないまま5回無死1塁で緊急登板し、ストライク率は54.2%だったが、2.0回無失点と役目を果たしている。5回裏と6回表のイヤな間のイニングインターバルを挟んだ回またぎになったが、右飛、遊ゴ、左飛に撃退した。

最終1イニングを10球で三者凡退に斬った渡邉佑も上々のアピール。

石井全権監督の打診を受けて宮崎から左サイドスローに転向。年明けに自主トレを共にした巨人の高梨が「自分が4年間かけて作ってきたサイドスローの行程を最短距離で突破している。自分より腕が長く上背もある」と絶賛したその片鱗をみせ、ゴロアウト2本と空三振という好内容だった。【終】

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