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【試合評】減らしていきたい。9回同点場面での守護神起用~5/2●楽天5-6ロッテ

起きるべくして起きた9回の悲劇

始まりがあるものには、すべて終わりがある。

その意味では14試合連続でゼロを入れてきた背番号1の防御率に、近々「0.00」以外の数字が入ることは不可避だった。

今シーズン2度目の同一カード3連勝を狙った3戦目は、4回表にロッテが1点先制。しかし直後に岡島の適時二塁打、辰己6号2ランで1-3と逆転に成功。楽天は翌5回も1点を加点した。

先発・早川は5回まで1失点の好投。ところが6回にレアード3ランなどでKOに遭い、4-5と試合をひっくり返されてしまう。1点を追った7回、先頭打者エラーや暴投でもらった好機を活かして5-5とゲームは再び振り出しに戻った。

そのまま同点で迎えた9回表、楽天のマウンドは松井。

そして悲劇が起きてしまう──

先頭・荻野に投じた初球だった。
内角を狙った145キロのストレートが制球狂って外角高めに入る失投に。

これが得点圏で2打席凡退し真っ直ぐ1本に狙いを絞って振りにいった荻野のバットの芯を食った。場内に乾いた快音がこだまし、左翼席に消えていく、打った瞬間の超弾道。

じつは松井がプロで初めてストレートを一発にされたのも、鴎の背番号0だ。プロ2年目の2015年5/16koboスタジアム、1-0からの144球を打たれたホームランがそれだった。

◎松井裕樹 起用別の登板割合

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急増する守護神の登板

ここまでゼロに抑えてくれた松井を責める気は全くない。
ただ、お疲れ気味だったのかな?とは感じるのだ。

今季はコロナ禍の特別ルールで9回打ち切りが採用されているNPB。
その影響で各球団の抑えが、セーブ機会以外での登板が増えている。

とくに同点で迎えた9回、守護神がいく場面が急増。
その蓄積疲労もあり、他球団を見渡すと度重なるセーブ失敗を喫する抑えも目立つ。

里崎智也さんのYoutube『2021年優勝するためのキーマンは誰だ!?楽天編』で指名を受けた13年ドラ1左腕も、ご多分に漏れず、セーブ機会以外の登板が増えている。

上記表のとおり、本戦含む15試合のうちセーブ機会は7試合、全体の46.7%にとどまるのだ。

過去と比較すると、2017年69.2%、2019年60.3%だったから、今年はかなり少ないことがわかる。(2018年はハーマンが抑えだったので対象外にした)

そんな経緯もあって、この登板も直近7日間で4登板目に当たっていた。(4/27、4/28、5/1、5/2)

この4登板のストレート平均球速を確認すると、本戦が最低値。
今季の平均球速145.8キロと比べても、スピードは出ていなかった。

4/27 144.9キロ
4/28 147.4キロ
5/1 146.8キロ
5/2 143.0キロ
※今季平均球速 145.8キロ

このことを見ても、松井は疲れていたと思うのだ。

それに、ここまで松井の真っ直ぐは23打数1単打、10三振、6四球、1死球、3犠打、被打率.043だった。当該空振り率も14.2%。昨年の10.7%を大きく上回る数字で、まさに打者を鎧袖一触するファストボールだった。

だから、状態の良いときなら、荻野がいくらストレート1本狙いで待っていたとしても、力でねじ伏せることができたと思われる、そういう圧倒的な戦績をあげていた。

それが、あの一閃だ。

ここまでの登板過多からくる疲労で・・・(続く)

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