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【戦評】 明暗分かれた外国人打者への攻め~7/23楽天△2-2オリックス

見ごえあり両軍左腕の好投

楽天・弓削は佐野日大高、オリックス・山崎福は日大三高。
同じ系列高出身の左腕どうしの投げ合いは「予想以上の投手戦」になった。

弓削は好投をイメージした僕の予想の先をいった。オリックス戦はプロ初登板になるため弓削に分があり、コントロールで崩れるタイプではないため、ゲームを作ってくれるだろうと思ったが、7回までゼロを並べるとは! 全体の60%近くを低めに集め、変化球に至っては70%近くを低めに制球した。

唯一の心配材料は、前回7/16○E7-4Lに右足打球直撃で負傷降板した影響。しかしその不安を全く感じさせない丁寧な投球が光り、7回まで散発2単打、5奪三振に対し無四死球という素晴らしい内容をみせた。

一方、山崎福は7回途中6単打2失点。与四球率がキャリア通算4.38、今年は5個台のため、制球はもっとアバウトかな?と思いきや実際はさにあらず。

3四球ながらもストライク率は66.4%と合格ライン。初球ストライク率は70.4%、3球目2ストライク率も64.7%と、安定した制球力でストライク先行の投球だった。楽天打線も5回まで散発2単打に封じられた。

小深田、躍動

両軍左腕の投手戦のなか、スコアボードを先に動かしたのはイーグルス。

6回だった。7/18(土)●E3-4L以来のスタメンになった小深田が躍動した。

まずは先頭打者で出塁し、攻撃の足掛かりを築いた。
1-2と追い込まれていたが、101キロを上手いこと左前へ運ぶ。

「この選択は間違いですね。追い込んでからの緩い球は、ミートを心がけるバッターにとっては当てやすいですから」と解説する鈴木康友さんのコメントが印象に残った場面だ。

この後、1番・茂木は送りバント作戦。2度バントファウルで追い込まれ強攻に切り替えた当たりが三遊間を破った。後続の鈴木がきっちり犠打を決めて1死3,2塁、3番・ロメロの右犠飛で小深田がタッチアップ本塁生還の好走塁をみせた。

打ち上げた飛球はライトの定位置。正直、微妙な飛距離に見えた。吉田正も本塁好返球を繰り出したその勝負は、50m5秒9の俊足が活き、間一髪のバックホームをかいくぐり左手で触手する見事な生還劇になった。

なおも2死3塁、今週無安打の4番・浅村に、このカード初のヒットが飛び出した。低め誘い球をひろった技ありは左前で弾んで三走ホームイン、楽天が2点を先行する。(E2-0B)

このカード7回以降で17失点

楽天はこの2点を守って逃げ切りたかったが、本戦も終盤にオリックスの反撃が待っていた。

8回だった。7回を92球で終えた弓削が続投。
ところが、先頭打者を含む3四死球で1死満塁ピンチを招いてしまう。
100球に近づき握力がなくなってきたのか抜け球が目立ち、本戦で弓削が投げたボール球のじつに23.4%が8回に集中していた。

楽天ベンチは継投を決断する。
二番手でブセニッツが急行したが、4番・ジョーンズに2点タイムリーを許し、ゲームは振り出しに戻った。

外角狙いの初球がはずれてボールになったのが、拙かった。
1-0からの第2球ストライクを取りにいった150キロを狙われ、バットの先ながらも左前へ弾き返されてしまった。

この後、楽天は今シーズン3度目の延長戦へ。
両軍ともに決め手を欠き、今季初のドローゲームになっている。

最下位を相手に勝てる試合を追いつかれ痛い引き分けになったが、幸いにも同日ソフトバンクが敗れたため、楽天は単独1位へ。

チーム成績は29試合16勝12敗1分の貯金4。

ゲーム差は2位・ソフトバンクと0.5、3位・西武と1.5、4位・ロッテと1.5、5位・日本ハムと4.0、6位・オリックスと4.5になった。

◎両軍のスタメン

オリックス=1番・西村(中)、2番・大城(二)、3番・吉田正(右)、4番・ジョーンズ(左)、5番・T-岡田(指)、6番・ロドリゲス(一)、7番・伏見(捕)、8番・太田(遊)、9番・山足(三)、先発・山崎福(左投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・鈴木(三)、3番・ロメロ(左)、4番・浅村(指)、5番・島内(中)、6番・内田(一)、7番・ブラッシュ(右)、8番・太田(捕)、9番・小深田(二)、先発・弓削(左投)

◎試合展開

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明暗分かれた外国人打者への攻め

8回1死満塁、ジョーンズの場面は『いくつかの状況が重なった2点同点打』だったように思う。

押し出しリスクもある満塁のため、2球目はストライクが確実に欲しい場面。その満塁も3四死球で作ったもので・・・(続く)

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