【惜別】渡辺直人 ~ 3球団14年で重宝された一流の脇役芸

最終回を名演した感動の引退試合

心温まる素敵な引退試合だった。

目頭を熱くさせて打席に向かい初球を打って出た1打席目から、コースにさからわずに弾き返した長短ヒット2本、頭から飛び込んだ先制の生還劇、2年ぶりの守備で完成させた併殺プレー、そして一言一句を丁寧に紡いだ引退スピートまで、みごとな有終の美になった。

恩師・野村克也の薫陶を受け「一流の脇役」にならんと奮闘した14年間の現役生活、その最終回は14年前に戻ったかのような若さ溢れる主役の名演で、グラウンドに別れを告げた。

いまだ破られていない球団記録

松坂世代最後の野手。田中将大と同期入団。2006年大学生・社会人ドラフトでNPB入りした社会人内野手4人の1人に当たる。そのうち1人は社会人時代に神奈川選抜で共にプレーし、引退試合の解説を務めた岩崎達郎だった。

ドラフトの年、楽天の正遊撃手は沖原佳典だった。34歳のベテランが最多47試合スタメンに駆り出され、草野大輔も同13試合で起用されるなど、遊撃はとくに戦力不足。当該OPSは捕手の.532より低い.462という惨状だった。

そのなか、27歳でNPB入りした新人がフィットし1年目から規定打席に到達、OPSも.667を記録する。

広角打法で卓越した右打ちスキルの所持者。バントも上手く通算184犠打。通算115盗塁を記録した俊足のため・・・

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