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【試合評】コンタクト率57%に抑えた西口直人の快投、長身すぎる弓削隼人の課題点~4/10△楽天8-8ソフトバンク

7点差を追いつき、一時は追い越した!

先発・弓削が毎回失点でゲームメイクできず。
序盤3回表までに7点を奪われたときは戦況は決したかに思われたが、よく立て直した。

反撃の合図になった辰己5号ソロが3回裏に生まれると、4回には同期のドラ1に刺激を受けた小郷が4/1●E5-16M以来の2号ソロ。

5回に辰己、島内のタイムリー2本で3点を入れて高橋礼をKO。

翌6回にもホークスのブルペン陣から2四球を絡めて3得点。6-7と1点差まで迫った6回2死3,1塁、五番手・津森の148キロを仕留めた4番・浅村の右翼線二塁打は、一時8-7と逆転に成功する一撃になっている。

投手心理を逆手に取ったイヌワシ打線の好球必打

高橋礼は今シーズン2試合で四死球17個と未曾有の制球難に苦しんでいた。
前日には報道陣に「四球での失敗は許されない」と悲壮感を漂わせる決意を口にするほど、とにかく四球を出さないことが本戦の最大目的になってしまった。

実況・中田浩光アナが指摘したように、イヌワシ打線はそんなサブマリンが投げ込んでくるストライク投球(ときには置きにきた球もあっただろう)を好球必打で応戦してみせた。

一般にアンダースローは左打者を苦手にするケースが多い。左打者被打率が3割を超えてしまうこともザラだ。しかし長身の高橋礼は左打者もよく抑える珍しい下手投げで、当該被打率は2018年から.224、.225、.250で推移してきた。

ところが、本戦の楽天左打者は16打数6安打、2本塁打、1四球の大戦果になった。

イヌワシ打線ががこれほどまでに大戦果をあげることができた背景には、1年目の2018年には136.1キロを計測した高橋礼のストレート平均球速が去年は132.6キロ、本戦では125.2キロと下落に歯止めかからない状態も大きいとみる。このままの状態が続くなら、今シーズンは厳しいかもしれない。

◎試合展開

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◎両軍のスタメン
ソフトバンク=1番・周東(遊)、2番・川島(二)、3番・柳田(指)、4番・グラシアル(左)、5番・栗原(右)、6番・松田(三)、7番・中村晃(一)、8番・真砂(中)、9番・甲斐(捕)、先発・高橋礼(右投)

楽天=1番・辰己(中)、2番・小深田(遊)、3番・島内(左)、4番・浅村(二)、5番・鈴木大(一)、6番・小郷(右)、7番・岡島(指)、8番・渡邉佳(三)、9番・太田(捕)、先発・弓削(左投)

若鷹軍団のコンタクト率56.5%だった!

敗色濃厚の戦況を「投」から立て直したのは、3回無失点に抑えた西口である。

負けなかった本戦最大の功労者であり、浅村2点二塁打で逆転したこともあり、一時はプロ初勝利の権利を手中にしていた。

今年11月で25歳を迎える5年目右腕による、圧巻のショーケースになった。

最速150キロを叩き出したストレートは平均でも145.8キロ、生きの良さが際立ち、4回無死2塁では柳田を真っ直ぐで空三振に仕留める場面も作った。

カーブ、スライダー、チェンジアップを投げた変化球は、ストライク率こそ50.0%だったが、中には鋭く曲がる球、ストンと落ちる球があり、4回1死2,1塁の栗原空三振は低めに決まった落差大のチェンジアップだった。

西口と対峙したソフトバンク打者のコンタクト率が56.5%しかなかった点こそ、この快投を決定的に裏付ける数字だと思う。スイング23球のうち空振り10球を奪った。その内訳は速球5球、変化球5球と半々だった。

マウンド上の面構えも頼もしく・・・(続く)

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