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【試合感想文】 6/9中日4-5楽天:「ほんと小山...」 内星龍“投げすぎ”警報発令中!

3連投は今季パリーグで5例目の事例に

今季の1点差試合成績を8勝7敗とし、5/14○E5-0L、5/16○E3-0H以来の連勝を飾ったイーグルス。これで火曜日から始まった今週の負け越しはなくなり、最悪とんとんで順調なら借金返済ウィークにすることができた。

そういう朗報に水を差すようで気がひける部分もあるんですが、それでもこれは書き記しておかなければならない。

表題のとおり、高卒3年目右腕「投げすぎ」警報発令中!である。

今や球界全体、とくにパリーグではここ数年でリリーフ陣の連投をなるべく回避し、少しでも良い状態でマウンドに送り出すのがトレンドになりつつある。

ここ数年で球界の高速化は一気に加速化した。その背景の1つには、12球団本拠地球場のマウンドが年々MLBばりに硬くなっていることもあるという。硬いマウンドからの反動を利用して強い球を投げ込める利点のいっぽう、身体への負荷は以前よりも増し、故障リスクも上昇したデメリットも。

・・・といった理由はほんの一部だと思うが、とにかくリリーフ陣の運用を改善させているチームが増えてきた。

今から11年前の2012年、当時29歳の青山浩二が5連投したことがあった。

(※改めて書くけど、本稿で言う連投とは、試合日ベースではなくて日付ベース。日曜日に投げて月曜日は移動日で試合なし、火曜日に投げた場合、本稿では2連投とは言わない)

当時守護神だったラズナーが故障離脱し、代役魔神として最終回のマウンドに登り続け、5/9(水)、5/10(木)、5/11(金)、5/12(土)、5/13(日)と馬車馬のようにフル回転して5日連続セーブをあげた。

今や5連投は完全に絶滅した。4連投も昨年パリーグでは1度も記録されなかった。

それどころか3連投も一気に減り、今季はさらに少なく、本戦の試合前時点で3連投しているパリーグ投手は下記の4名だけだった。守護神であっても4連投は滅多なことでもないかぎりしないが原則になっている。

田浦文丸(5/3、5/4、5/5)
オスナ(4/26、4/27、4/28)
嘉弥真新也(5/3、5/4、5/5)
安樂智大(4/19、4/20、4/21)

6/8終了時、パリーグ3連投

そして今回、このラインアップに内星龍が加わった、ということなのだ。

試合中、Twitterで「内星龍投手は直近11日間で7試合目の登板です」とツイートしたら、6/10早朝現在、34RT、64いいね、1万インプレッションとそれなりの注目を集めた。

直近11日間の成績は下記表のとおりだ。

内星龍 5/30(火)以降の投手成績

7登板中、1イニング以上無安打無四死球投球を表すクオリティリリーフ(QR)は6/8(木)の1度だけ。

この11日間7登板は7回、打者29人、球数97、被安打7、被本塁打1、奪三振5、与四球2、失点4、自責点4、防御率5.14である。

11日間の中には2連投が1度(これは1軍で経験した3度目の2連投)、キャリア初の3連投が1度含まれている。

僕はリリーフ陣の記録を集計する際、2021年から『直近7日間で何登板したか?』の視点を導入し、集計を開始している。

直近7日間で4登板は多すぎかな?という印象、ましてや5登板はえええっ?というイメージなのだ。実際、直近7日間で5登板の例は少なく、

2021年は

松井裕樹(4/27、4/28、5/1、5/2、5/3)
松井裕樹(6/2、6/3、6/5、6/6、6/8)
安樂智大(8/25、8/26、8/27、8/29、8/31)

2022年は

西口直人(5/27、5/28、5/31、6/1、6/2)
西口直人(5/31、6/1、6/2、6/4、6/5)
酒居知史(8/31、9/1、9/2、9/4、9/6)

の6例が記録されていた。

今回、内が6/3、6/4、6/7、6/8、6/9で直近7日間で5登板をクリアし、これは今季の楽天投手陣で唯一のケースになっている。

試合展開

中日=1番・大島(左)、2番・鵜飼(指)、3番・岡林(中)、4番・細川(右)、5番・高橋(三)、6番・石川(一)、7番・村松(二)、8番・木下(捕)、9番・龍空(遊)、先発・小笠原(左投)

楽天=1番・辰己(中)、2番・小深田(三)、3番・小郷(右)、4番・浅村(二)、5番・岡島(左)、6番・フランコ(指)、7番・阿部(一)、8番・山﨑剛(遊)、9番・太田(捕)、先発・藤平(右投)

両軍のスタメン

多くのファンが内を心配しています

先日、内を取材した中田浩光アナが言及してましたが、楽天のブルペン陣は1試合に2度肩を作るのが基本だと。

今季はベルーナドームを頻繁に取材するスポーツジャーナリストの氏原英明さんも、鈴木光裕アナも楽天のブルペンがプレイボールから準備を始めていたと言っていたことは過去のnoteに書いたとおり。(鈴木アナなんて中継中2度言いましたからね。大事なことだと思ったので2度言ったのでしょう)

さらにそこへきて内は肩を作るのに30球もかかってしまうのだと中田アナは言っていた。

まだ高卒3年目、今年1軍デビューしたばかりでブルペンの所作もわからず、自らに合った調整方法も確立できていない将来性のある若手に、肩肘は消耗品と言われるなか、ここまで過度な負担を強いてよいのかどうか。

しかも11日間で7登板は、そのうち6登板が負け試合の展開ですからね(上記表参照)。
100歩譲ってこれが接戦とかリードした展開ならまだしも、3点以上ビハインドの場面で4登板しているんですから。

その思いは多くのファンも同じようで、前述したツイートに寄せられたリプは、

「やっぱり明日明後日休ませて3日休ませろ!!!!」

「マジな話、西口、鈴木翔天の二の舞になるんじゃないのか?」

「これやったから西口投手今年ボロボロになりかけてるのでは…?」

「体感毎試合投げてると思ったら毎試合投げてたわ」

「あのさあ なんで週1か週5かみたいな使い方するの? 勝ちパターンで使うならビハインド時に投げさせるのやめろよ、なんで週3みたいな程よい起用ができないのか」

「まだ高卒3年目だろ?このペースの使い方はどうなん?この投げてる時勝ってる場面ならともかく…!」

「マジで舐めてる」

「イカれとる」

「おーん過ぎる」

「殺す気でいる、、、、」

「ほんと小山」

マジ小山…

宋家豪がベンチ入りを外れていたのが、こういう事態を招いたんでしょうけど。(たぶんコンディション悪かったのかな?)

昨日のメンツで言えば、安樂智大で良かったんじゃないか。投げても2連投、直近7日間で4登板。内と比べたらまだ負担は少ないほうである。

あるいは伊藤茉央。彼は6/1DeNA戦を最後に登板がなかった。8番から始まる下位打線だっただけに(しかも伊藤の得意とする右打者)、新人変則右腕でもよかった。

また、今季初登板で5失点炎上した石橋が使えないのなら、なぜベンチに入れとくのか。なぜ1軍に置いておくのか。

ほんと小山伸一郎投手コーチ、頼みますよ!

以上!【終】

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。月10回以上を所収ただいま新規読者さん募集中!

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