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【試合感想文】 9/10楽天6-4ソフトバンク:板東湧梧に衝撃を与えた村林一輝“一石二鳥”の活躍

板東に衝撃を与えた村林「一石二鳥」の活躍

この日ヒーローインタビューに呼ばれた村林一輝の果たした役割は大きかった。

2安打2得点2打点という字面だけでは決して見えてこない「大きな仕事」だ。

ソフトバンク先発の板東湧梧といえば、8/26○H1-2E(楽天モバイル)では、したたかに好投されてしまった。結果的に鷹の50番に黒星をつけたが、田中将大の好投でロースコアを制したもの。打線が攻略したわけではなかったのだ。

あのときは150キロに迫ろうかというストレートが走り、高い空振り率を誇るフォークは低めによく制球されていた。この2球種の対応だけでも苦しいのに、110キロ未満のカーブをときおり混ぜられ、楽天打線は緩急への対応も余儀なくされたわけだ。僕はたいへんやっかいな投手という印象を受けた。

そんなわけで、2週間ぶりの再戦を固唾を飲んで見守ったのだが、1番・小深田大翔が名手・今宮健太のエラーで出塁した初回無死1塁、高卒8年目で主戦級まで登り詰めた25歳が、大きな大きな仕事をした。

右中間深部を襲った先制ツーベースの結果球は146キロのストレート。初球108キロのカーブを見せられた直後の緩急差38キロを攻略した。つまり、前回楽天が苦しんだ真っ直ぐと緩急を一石二鳥でやっつける仕事になったわけだ。

この一撃と辰己涼介の真っ直ぐ撃ち右前タイムリーで、板東のファストボールは機能不全に陥った。当該球の2球に1球がボールに。つまり、コースを狙いすぎてはずれるか、もしくは見せ球使用かの窮屈な内容にさせたわけだ。

板東は1.1回でKO。
今季、楽天打線が相手先発を2回持たずKOした最短劇になっている。

(5/21M6-4Eでは岩下大輝が1回で降板しているが、これは予告先発が背中の張りで登板回避し、急遽の代役で1イニングだけ投げたもので楽天打線がKOしたわけではない)

試合展開

楽天=1番・小深田(三)、2番・村林(遊)、3番・島内(指)、4番・浅村(二)、5番・岡島(左)、6番・辰己(中)、7番・阿部(一)、8番・小郷(右)、9番・太田(捕)、先発・荘司(右投)

ソフトバンク=1番・周東(三)、2番・三森(二)、3番・柳田(指)、4番・近藤(左)、5番・中村晃(一)、6番・柳町(右)、7番・今宮(遊)、8番・上林(中)、9番・甲斐(捕)、先発・板東(右投)

両軍のスタメン

遅きに失した感もあるが

楽天は3回表終了時に5-0と大量リード。
戦況ほぼ決したか?!と思われたが、若鷹軍団が牙をむいて楽天ドラ1に襲いかかってきたのは直後3回裏のことだった。

この回は明らかにカウント球のストレートを腹くくって狙われていた。
攻撃が始まる前、若鷹軍団はベンチ前で円陣。そこでコーチから指示があったのだろう。

先頭・上林誠知の右安は1stストライクのストレート。9番・甲斐拓也の左中間深部を襲ったツーベースも初球真っ直ぐ。2球目を打って二ゴに倒れた1番・周東佑京も初球146キロのファストボールにバットを振ってファウルにしていたし、2番・三森大貴も同様だった。3番・柳田悠岐の1-0からの2球目をとらえた20号2ランも真っ直ぐ撃ちだった。

わずか13球の間に4失点を喫したわけだが、ことここに至る前にストレートを狙われていることに気づいてほしかったけど、その後に近藤健介四球、中村晃につながれ1死2,1塁ピンチを迎えながらも、ここを踏ん張ることができたのは大きかった。4回5回もゼロを並べ、先発投手として最低限の5回を消化できた点は、かろうじて良かった。

柳田2ラン直後のピンチを切り抜けて5回まで到達できた背景には・・・(続く)

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。

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