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【戦評】 弓削でOK? 誰になる? 楽天の6連戦初戦の先発投手~6/9●E5-7L

※本稿は全文noteに公開中。最後までお楽しみいただけます。

どう戦う?同一カード6連戦

コロナ禍に翻弄されたプロ野球も、開幕まで10日。
今年は季節が夏本番へと向かうなか、いきなりの超過密日程で始まる。
前例のないスケジュールにどのように対応し、どう乗り切るか。各球団の腕の見せどころだ。

そのなか、パリーグは経験のない「同一カード6連戦」が厄介だ。

「だれますね。2つ負けると6連敗するんじゃないかと弱気になりますね」と難しい選手心理を説くのは、本戦の解説・松沼博久さんだった。

「僕なら今年のパ開幕戦にエースを使わない」と主張するのは、里崎智也さん。

日刊スポーツのコラム

6連戦を戦う上で最も大切なことは、最低でも3勝しないといけないということ。3勝を逃した時は2勝4敗の借金2になる可能性がある。5割で乗り切るのと、借金2では大違い。となれば、どうしても初戦を取りたい。そのためにはエースは今年のパでは開幕戦ではなく、2カード目の頭にぶつける。

と主張する。そして、

初戦を取れれば多少のゆとりを持てるが、黒星スタート、もしくは連敗でもすれば、6連敗もちらつく。

と、アニヤンと全く同じ懸念を抱いているところが興味深い。

このように、同一カード6連戦の初戦は、想像以上に、きわめて重要になると思う。

6連戦の初戦先発は弓削なのか?!

楽天のそれは6/23(火)日本ハム戦から始まる。
このゲームは東北開幕戦も兼ねており、無観客試合とはいえ負けるわけにはいかないのだ。

その重要な一戦に投げる先発投手が、最近は火曜日に先発する弓削になりそうな雰囲気だから、僕は少し心配になっている。

この日の背番号23は、4回82球を投げて6安打5失点。

前回6/2DeNA戦との合計では、7回、打者35人、被安打10、被本塁打2、5奪三振、与四球4、失点8、自責点6。
2月3月の実戦も含めた開幕前は21回で防御率3.86、WHIP1.57になる。

今年から泉犬鷲寮を卒業して一人暮らしを始めた長身左腕に対し、

「彼に関しては去年ある程度の実績がある。基本的にはローテーションの有力な一人には入ってくる。これくらいやってくれるだろうと、ある程度計算できる投手」

ときわめて高い評価をするのは、伊藤投手コーチだ。

しかし、この数字を見てしまうと、同一カード6連戦の初戦を任せてもよいものか・・・
2年目の実績不足にはちょっと荷が重いのでは?
3戦目以降ならまだしも、初戦はどうなのか・・・と、にわかに不安になってきた。

◎両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・鈴木(三)、3番・島内(左)、4番・浅村(二)、5番・ブラッシュ(指)、6番・銀次(一)、7番・ロメロ(右)、8番・辰己(中)、9番・太田(捕)、先発・弓削(左投)

西武=1番・金子侑(中)、2番・源田(遊)、3番・森(捕)、4番・山川(一)、5番・外崎(二)、6番・中村(三)、7番・栗山(指)、8番・スパンジェンバーグ(左)、9番・木村(右)、先発・高橋光(右投)

◎試合展開

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まさかの落球で思い出した4年前の珍事件

初回の3失点は、弓削にとって不運だった。
「まさかの珍事」に足をとられるかたちになったからだ。

事態発生は、外崎に先制打を浴びて1失点を喫した直後の2死3,2塁のこと。

中村の当たりは1塁線ファウルゾーンへ打ち上げた一邪飛コース。
しかし、この危機脱出確定の平凡フライを、一塁・銀次がまさかの落球。
落下点へ前向き体勢で余裕で入りながらも、ミットの土手に当てて落としてしまった。

この後、弓削は本来なら一邪飛で凡退だったはずの中村にフォアボール。
2死満塁として、栗山に三遊間を射抜かれる2者生還のタイムリーを浴びた。(E0-3L)

中村の打球があまりにも高々と舞い上がったことが、落球を招く一因を作った。推測するに、メットライフドームの白い天井に白球が吸い込まれ、銀次の視界から一瞬消えてしまったのだろう。

思い出すのは、2016年5/25敵地デーゲームの西武戦だ。
アマダーの来日初打席・初安打も、今回とよく似た案件になった。

あのときも高々と打ち上げたイージーな中飛コースかと思われた。
ところがだ。センター秋山が完全に打球を見失い、遥か後方へ着弾。
レフト栗山が慌ててバックアップに向かったが、鈍足の巨漢打者でも悠々3塁に到達できるほどの来日初安打になった。

決め球精度を欠く弓削の課題点

不運に見舞われたものの、4回5失点は弓削にも原因があった。

本戦では2ストライク以降にヒットを浴びたり、四球を出してしまうケースが続出。下記表のように、打者21人と対戦し、そのうち12人を追い込んだものの、7人に出塁されてしまった。
追い込んでからの投球に精度を欠く部分が頻発しているのだろう。

◎弓削隼人 2ストライク以降の対戦結果

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4回裏、木村に浴びた左中本も、そんな典型例だった。
味方が一挙5得点で逆転してくれた直後だった。

試合前に掲げた本戦の課題「両サイドへの投げ分け」を改めて試してみようという意図だったのだろう。
その7球勝負で、太田のミットは外外内外内外内と両サイドへせわしなく動いた。はたして7球目、内角狙いの134キロを投げ切れず、構えたミットよりも甘く中に入ったところを一閃されてしまった。

このように、今季の弓削は追い込んでの投球に課題を残す。
2/15ヤクルト戦~前回6/2DeNA戦の2ストライク以降の被出塁率はじつに.441。この値は本戦終了時に.478まで悪化した。

この課題、ぜひ開幕までに修正してもらいたい。【終】

◎弓削隼人 2020年 試合別 投手成績

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