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【戦評】塩見快投に水差した三木監督のドタバタ継投~8/8○楽天4-2ソフトバンク

敵将・工藤監督の十八番を奪う迷采配

7回8安打3失点の粘投をみせた若鷹軍団の二保に対し、楽天先発・塩見は7回途中3安打無失点。途中、降雨に遭いながらもテンポを維持し、安定した制球に緩急を織り交ぜた丁寧な快投をみせてくれた。

塩見の後を継いだ救援陣も奮闘したが、水を差したのは三木監督だ。終盤の2回1/3でブルペン5人を注ぎ込む、敵将・工藤監督の十八番を奪うマシンガン継投。

先発がQSを記録しながらも救援5人以上を送りこんだケースは、涌井好投もシャギワ、森原炎上で終盤2イニングで9失点した7/22●E7-11B以来、今季2度目の事例になった。

7回2死1塁、この連戦16打数1単打と不調の松田を迎えて塩見からシャギワに代えた継投も釈然としなかったが、極めつけは9回の継投だ。

頭から酒居を起用。しかし連打を許して無死2,1塁を作ると、慌てて抑えのブセニッツを投入するチグハグな迷采配で、両投手に負担を強いることになった。

セーブ機会ではない4点リードのため、ブセニッツを温存し、敗戦投手になった8/2(日)●E6-7M以来の酒居投入になったと思われる。でも、4点目が入ったのは8回裏のこと。直前まで3点差が続いていた。

当然ブセニッツは9回行く準備を整えていただろう。一方、酒居は肩は作ったが、試合展開から自分の出番はないと読んでスイッチをOFFにしていたと想像する。

ところが、ベンチから飛んだ指令は酒居だった。

酒居は泡食っただろうしし、ブセニッツは梯子を外されたかっこうに。ブセニッツに至っては外された梯子を再度差し出され今度は昇ってくれと言われる。心の眉毛はへの字だったと思う。正直、気の毒。9回の2失点は指揮官の起用責任が大きい。

ブセニッツは走者なしでこそ本領を発揮する。
昨年の被打率は走者なし.204と抜群も、走者あり.300を打たれた。

とくに苦手とするのが、前投手が塁上に走者を残した火消しマウンドである。

7/22●E7-11Bでは4点リードの8回1死3,2塁で投入され、塁上走者2人の生還を許した。翌7/23△E22-Bでも2点リードの8回1死満塁で急行するも、ジョーンズに2点タイムリーを浴びて逃げ切りに失敗した事例があったばかりだった。

◎両軍のスタメン

ソフトバンク=1番・上林(右)、2番・周東(遊)、3番・柳田(中)、4番・中村晃(一)、5番・栗原(左)、6番・バレンティン(指)、7番・松田(三)、8番・甲斐(捕)、9番・川瀬(二)、先発・二保(右投)

楽天=1番・小深田(遊)、2番・鈴木(三)、3番・ロメロ(指)、4番・浅村(二)、5番・島内(左)、6番・内田(一)、7番・渡辺佳(右)、8番・足立(捕)、9番・田中(中)、先発・塩見(左投)

◎試合展開

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宋家豪&太田へのスイッチの真相

3点リードの8回、牧田&足立から宋家豪&太田とバッテリーごと入れ替えた継投は、まだ理解できる。

この回は代打・明石から3番・柳田まで左打者が5人続く局面。アンダースローにとって左打者は泣き所。球筋が見えやすいため対応されやすいのだ。

牧田がMLBで定着できずに終わったも、結局はこの永遠の課題にあった。
右打者は被OPS.609と抑えたものの、左打者に.916を許したのだ。

本戦試合前の左右打者別の成績をみると、被打率こそ左打者.219、右打者.194とあまり変わらないものの、被OPSでは左打者.723、右打者.522と2割の明らかな差があった。

右打者には数多くの三振を奪取し四球を抑えるのに対し・・・

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