【試合評】今季12球団最多14得点。大勝のなか「募る不安感」~4/17○楽天14-4ソフトバンク
西川、マルモ2戦連発
14得点は今季NPBの最多得点。二ケタ得点は前日の日本ハム、同日の中日も叩き出していたが、いずれも11得点、10得点どまり。イーグルスが平和台リース球場で発揮した猛攻には及ばなかった。
2試合連続の3号ソロを含む4安打4得点の活躍で、西川のOPSが遂に1.113を記録した。
2位のソフトバンク三森.999に大きく差をつけてのパリーグ1位だ。セリーグ1位はDeNA宮崎の.963のため、両リーグぶっちぎりの1位である。
チームは今月初日に感染拡大に見舞われ、同5日にギッテンス骨折。ともすれば暗雲が立ち込めそうな苦境に立たされたが、西川が太陽のような活躍で、チーム内を強烈に照らし続けている。
また、このカードが始まる前には、12球団新外国人打者で最低レベルの成績に低迷したマルモレホスにも、2試合連続ホームランが飛び出し、僕らを喜ばせた。
4/9○E8-5F以降の4試合では5安打1二塁打2本塁打。当たりが出れば相手バッテリーは警戒感を強め、必然ボール球も増えてくる。この間に三振5個を喫するいっぽう、四球も4個選んでいるのだ。NPBに順応し始めたことを表す良い兆候だと思う。
これでマルモが放った全階層ホームランは4本目。本戦では真中高めストレートを仕留めたように、オープン戦では高めスライダー、2軍戦では高めチェンジアップを一閃していた。
リーチが長く、昨今のフライボール革命の影響を受ける外国人打者の中にはローボールヒッターも多いが、彼にとってのチャンスボールは高めになるのかもしれない。
いっぽう、投手陣は前日涌井、本戦瀧中、両人ともに地方球場のマウンドに苦しむかたちになった。とくに瀧中の地方球場登板はプロ初だった。(開幕前のオープン戦とか除いて)
制球の良い彼がボール先行2-0にするケースが6度もあった。四球5個も自己ワーストタイ。慣れない地方球場のマウンドによる影響は確実にあったと言えそうだ。ともすれば逆の結果になったかもしれず、そういう意味では打線の大量援護に救われたかたちだ。
今シーズンの楽天は地方球場ゲームが多く、6/21秋田、6/22盛岡、7/5弘前、7/13・7/14静岡、7/20北九州と残り6試合が予定されている。
有力投手撃破の効用
10-6で大勝を飾った3/26西武2軍戦。この試合、先発マウンドに登った敵投手は新外国人スミスだった。
MLB通算102登板の実績を持つ32歳。「先発ローテーションに入って、リーグ優勝に貢献してほしいと思います」。渡辺GMは即戦力の先発ローテ戦力として獲得した。
そんなライオンズ肝煎りの新外国人右腕を、ファームの楽天打線が粉砕。横尾、ギッテンス、マルモレホスの3ホーマーで5回6失点に沈めたのだ。
この一戦の持つ意味は大きかった。
ライバル球団の新外国人のNPB順応と1軍戦力化の大幅な遅延を発生させたことになるからだ。
実際、同じ新外国人投手のボー・タカハシ、エンスはすでに1軍で登板機会を得ているが、スミスはいまだ2軍暮らし。楽天2軍の活躍で西武は大幅な計画変更をせざるをえなかった。
話を戻して・・・(続く)
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