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【戦評】お粗末・・・ 若鷹軍団に並ばれ、遂に正念場を迎えた楽天~7/23●楽天7-11オリックス

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草刈り場でまさかの2連敗

ロッテは6戦6勝、ソフトバンクは5勝1敗。両球団が“白星の草刈り場”にした最下位オリックス戦。しかし、首位楽天はまさかの2連敗スタートになった。

この後、則本と防御率1位を争う山本由伸、今季好調の田嶋大樹が登板することを考えると、本カードの勝ち越しは困難と言わざるをえず、3戦目以降も厳しい戦いになりそうだ。

オリックス戦での2戦連続の二桁失点負けは、2014年4/25●E0-11Bs、4/26●E4-10Bs以来、6年3ヵ月ぶりの屈辱に。

終盤8回以降に9失点以上を喫したのは、青山が適時暴投を犯し、高梨が決勝2点打を打たれ、西宮が6失点の大乱調に陥った昨年6/13●E3-11S以来。

6点差をひっくり返されたのは、森原が3失点、ハーマンも5失点して自力CS消滅した2018年8/19●E7-8M以来のことになった。

同日2位ソフトバンクが日本ハムに逆転勝利を収めたことで、楽天と並んで開幕戦以来となる1位の“定位置”へ浮上している。

楽天の成績は1位タイ、28勝16敗12の貯金4へ。

各種戦績は、直近10試合4勝6敗(得点48/失点60)、オリックス戦2勝3敗、楽天生命パーク12勝7敗、6回終了時にリードする試合13勝1敗になった。

ゲーム差は同率1位のソフトバンクと0.0、3位・ロッテと1.0、4位・西武と2.0、5位で並ぶ日本ハム、オリックスと4.5に。首位と最下位の差が4.5以内に収まるのは、6/25以来になっている。

◎両軍のスタメン

オリックス=1番・西浦(中)、2番・安達(遊)、3番・大城(二)、4番・吉田正(右)、5番・ロドリゲス(一)、6番・ジョーンズ(左)、7番・T-岡田(指)、8番・太田(三)、9番・若月(捕)、先発・鈴木(右投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・鈴木(三)、3番・ロメロ(左)、4番・浅村(指)、5番・島内(中)、6番・内田(一)、7番・ブラッシュ(右)、8番・太田(捕)、9番・山崎幹(二)、先発・涌井(右投)

◎試合展開

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シャギワの乱

5点差あったとはいえ、8回にシャギワを登板させるべきではなかった。

今や首脳陣も全幅の信頼を置いていないのは明らかで、疑心暗鬼のままマウンドに送り出していた。

それは、ストライク先行しながらも空振りが奪えず、短長3連打で1点を返された直後に、まだ4点差あったものの、ブセニッツへあっさりスイッチしたことでも推察できる。

これで彼の成績は13試合0勝1敗2ホールド、10.1回を投げて防御率4.35、FIP6.32だ。奪三振率も与四球率も全く同じ4.35になってしまった。

空振り率は6.5%へ。これで36球連続で空振りなしに。
三振の取れなさ・空振りの少なさは致命的。

あくまでも彼を勝ちパターンで使いたいのなら、貯金がある今、2軍調整の期間を設けるべきだ。でないと、今後ますます厳しくなる優勝戦線において、まとまった調整期間を設けるのは難しくなる。

代役は直近5戦5回無失点の近藤、抹消したばかりで数日は登録できないが津留崎か。または久保を起用するべきだと思う。

お粗末の連続

5度目のセーブ機会で森原が初めて失敗した9回は、お粗末もいいところだった。

開幕ダッシュでみせた隙のない守備はどこへやら。これでは万年Bクラスに沈んでいたころの楽天だ。

8番打者の下位から始まるかなり恵まれた打順だったが、全ては先頭・宗のイージーフライを内外野連携ミスでポテン二塁打にしてしまったことから始まった。

直前8回にシャギワの乱で相手のスコアボードが大きく動いたゲーム展開も含めて、守護神の経験に乏しい森原に焦りが生まれた。その焦りは9番・若月にセンター返しで1点返されたことでさらに膨れ上がっていく。

きわめつけは無死1塁、ピンチバンター山足の投犠シーンだ。
Twitterに書いたとおり、太田の指示もマズかった。(下記リンク参照)

https://twitter.com/eagleshibakawa/status/1285943115287683072

2塁指差した直後にクルりと1塁指示する非常に紛らわしいもの。
浮足立った森原がイチかバチか2塁封殺を狙いにいったのも、無理からぬことだった。

もし太田の2塁指示から急に変えた1塁指示に従っていたら。
焦った森原の1塁送球は暴投になるリスクも高かったと思う。無死3,2塁とさらにピンチ広がる恐れもあり、あの状況になってしまえば、逆に2塁送球は妥当だったのかもしれない。

無死2,1塁からバントで1死3,2塁、大城の逆転決勝打の結果球はストレート。
内野前進守備の二遊間を突破されるゴロだったが、通常守備ならショート小深田がまわりこみ遊ゴ処理できた余地もあった。

悔いが残るのは7-8と逆転された後、ジョーンズの右へ弾き返した2点適時打だ。1-2から甘いスライダーを弾き返された。

宗の二塁打、若月の中安、大城の中安、いずれもストレートを応戦されたもの。また当該5球勝負中、2球目~4球目までストレートを続けたからスライダーの選択になったのだろう。

でも、スライダーは森原にとって優先順位が最も低い球種である。あの場面は追い込んでいたし3塁にランナーはいなかった。フォークで良かったんじゃないかと思う。

涌井のK/BBはパリーグ3位

最後に、気分転換に涌井の成績表を掲載したい。

今年の涌井は岩隈を彷彿とさせる美しさがある。

奪三振率9.79に対し、与四球率2.37。K/BB4.13はパリーグ規定投球回到達12人中、山本由伸9.75、有原航平5.17に続く堂々の同3位だ。【終】

◎涌井秀章 試合別 投手成績

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