【試合評】辰己涼介の抑止力と自慢の左打者が小笠原に苦しんだわけ~6/9●楽天3-7中日

ライト岡島の飛球をセンター辰己が捕った

終盤7回、おもしろい光景を目撃した。

2-4と2点ビハインドで迎えた相手のラッキーセブン。
マウンド上の二番手ブセニッツが前回6/6○E6-4Cに続く2失点。

3番・高橋周、4番・ビシエドに連続適時打を浴び4点差に突き放され、なおも1死2,1塁のピンチ。バッターボックスにはこのカードはやくも3安打を放っている5番・福田を迎えた。

福田の打球は高々と打ち上げたフライに。
右中間セブンイレブンゾーン右斜め前方へ達する飛球だった。

本来ならライト岡島の持ち場に当たる。
しかし、センター辰己が大きくまわりこんで捕球した。

これ、あえて辰己が処理したというシーンになった。

さらなる失点は許されない状況。二走・高橋周のタッチアップ三進を100%阻止したい。そのため、楽天外野手No.1の強肩を誇る3年目24歳にあえて任せたのだと思う。

辰己と言えば、今季はパリーグ3位タイの外野補殺3個を記録。
そのうち2個は直接送球の補殺になっている。

2個とも4/21●E1-4Hで記録されている。

1つめは3点を追う4回の場面。先頭・松田が左中間に弾き返したクリーンヒット。

センター辰己が左中間セブンイレブンゾーンでまわりこみ処理。この間隙を突いて打者走者が一気に2塁を狙ったところを、見事な好返球で間一髪アウトにしてみせた。敵軍からリクエストが出たが、判定どおりにアウトというクロスプレーになった。

2つめは3点差の7回2死2,1塁、栗原のピッチャー返しが中前へ抜け、二走・柳田が本塁突入。これを鮮やかなレーザービームで本塁憤死に追いやったプレーである。

前日6回2死2塁にも強肩発動。間一髪でアウトにならなかったが、僕らの心を虜にする場面があった。

木下拓が中安を弾き返し、二走・高橋周がホームへ。
辰己が補球したとき、高橋走はすでに3塁を蹴っており、通常なら絶対に間に合わないところである。

ところが、それを鋭い好返球で際どいタイミングに持ち込んでみせた。
ドンピシャのストライク送球ならアウトだったかも?!という鼻差で、解説席の野口寿浩さんを「この人の肩はとてつもないですね」と感嘆させた。

◎試合展開

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◎両軍のスタメン
中日=1番・大島(中)、2番・堂上(遊)、3番・高橋周(三)、4番・ビシエド(一)、5番・福田(左)、6番・木下拓(捕)、7番・山下(指)、8番・阿部(二)、9番・根尾(右)、先発・小笠原(左投)

楽天=1番・小深田(遊)、2番・鈴木大(一)、3番・浅村(二)、4番・島内(左)、5番・岡島(右)、6番・茂木(三)、7番・銀次(指)、8番・太田(捕)、9番・辰己(中)、先発・則本(右投)

辰己涼介が持つ抑止能力

ところで、今季の楽天外野陣は敵軍走者の抑止能力に優れている。

たとえば、外野にシングルヒットが出たときに一走が三進する確率は、下記のとおり、この直近5年で最も低く抑えることができている。

◎外野単打のとき、敵軍1塁走者の3塁到達率。
2017年 36.6%
2018年 37.3%
2019年 29.7%
2020年 35.5%
2021年 27.2%

背景には・・・(続く)

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