見出し画像

【戦評】なぜブセニッツはカーブを投げたのか?~8/30●楽天2-3西武

メヒアのラスボス感が凄い...

雨に打たれた楽天生命パークが「暗転」した。

2点リードの9回2死2,1塁、2ストライク。
場面は昨年までならジェット風船を今にも飛ばさんかという勝利目前。

ブセニッツ&太田のバッテリーが続けたカーブ3連投の3球目、外角狙いがストライクゾーン内角寄りに抜ける失投になった。

捉えたのは、またしてもこの人。自ら「サマサマ」と言う、かつてのホームランキング、エルネスト・メヒアである。7番・一塁で起用され、この日は3三振。

しかしこの2年間12本塁打中、楽天戦で9本を量産してきた天敵だ。

昨年は松井3発に小野、今年は弓削、宋家豪、涌井、則本、塩見から。
今最も恐れられている楽天キラーのバットが、今度はブセニッツに向けて牙を剥いた。逆転決勝3ランは左翼ポール際の弾丸ライナーだった。

   ~~~

試合展開は両軍先発好投の大変引き締まった投手戦になった。

先発・福井は5回2安打無失点。
西武・松本も6回途中3安打1失点。

5回までスコアレスが続いた戦況は、6回に楽天が1点を先制する。
1死3,1塁で敵軍バッテリーミスの暴投で三走が生還した。

8回1死2塁では主将・茂木が2点目タイムリー。
パリーグ1位の得点圏打率.405を誇る勝負強さを発揮。
セカンド外崎を強襲するヒットで点差を広げた。

三木監督ら首脳陣も懸命のタクトを執った。

6回は二番手・安楽が“済美高リレー”でゼロを入れる好投。
7回は「8回の男」牧田を前倒し投入。
8回は宋家豪を起用する異例の継投で“零封”のタスキを守護神へ。

監督の仕事は9回に守護神を送り出したところで終わると俗に言われる。
その意味で言えば、三木監督はやるべきことをやっての逆転負けとなり、試合後「僕も悔しいけど、選手たちはもっと悔しい」と振り絞るのがせいいっぱいだった。

これでチーム成績は3位、62試合31勝28敗3分、貯金3へ。

各種戦績は、以下のとおりに。

直近10試合 3勝6敗1分
8月 12勝12敗2分
西武戦 7勝6敗1分
楽天生命パーク 19勝15敗1分
1点差試合 5勝7敗
8回終了時に勝っている試合 29勝2敗
連戦日程4日目以降12勝16敗1分

ゲーム差は1位・ソフトバンクと今季最大5.5、2位・ロッテと2.5、4位・日本ハムと2.0、5位・西武と4.5、6位・オリックスと10.5になった。

◎両軍のスタメン

西武=1番・金子(中)、2番・木村(右)、3番・栗山(左)、4番・山川(指)、5番・外崎(二)、6番・森(捕)、7番・メヒア(一)、8番・スパンジェンバーグ(三)、9番・源田(遊)、先発・松本(右投)

楽天=1番・小深田(遊)、2番・鈴木(一)、3番・茂木(三)、4番・浅村(二)、5番・島内(左)、6番・ロメロ(指)、7番・岡島(右)、8番・太田(捕)、9番・辰己(中)、先発・福井(右投)

◎試合展開

画像1

スポーツ各紙が一斉報じた「魔の日曜日」

日刊スポーツ、スポニチらスポーツ各紙が一斉に「魔の日曜日」と報じている。これで日曜日は3勝8敗。7/26○E5-4Bの勝利を最後に、日曜日は5週連続の敗戦になった。

連戦日程4日目の金曜日以降の戦績がかんばしくなく、とくに日曜日が酷いことは当方でも紹介してきた。やはり思うのは、チームとしての体力が乏しく、6連戦の最終日になるとスタミナ切れを引き起こす点だ。

楽天打線の日曜日の成績は以下のとおり。
(カッコ)内はシーズン値。

得点 3.3点 (5.2点)
安打 7.0本 (9.1本)
ホームラン 0.6本 (1.0本)
三振 7.6個 (7.4個)
四球 2.7個 (3.9個)

このとおり、軒並み悪化している。

日曜日の相手先発を確認すると、山本由伸、石川柊太といった好投手もいるけど、榎田大樹、笠谷俊介、本田圭佑、中村稔弥といった攻略の余地が十分にありそうな投手も多い。本戦の松本航だってそうだ。

◎パ各球団の日曜日戦績
ソフトバンク 7勝3敗 (4.7点)
日本ハム 6勝4敗 (5.7点)
オリックス 5勝5敗 (3.8点)
西武 4勝5敗 (5.0点)
ロッテ 5勝6敗 (3.6点)
楽天 3勝8敗 (3.3点)

今後は選手個々の体力向上はもちろん、日曜日にガス欠を起こさない1週間を見すえた選手起用法も見直す必要ありそうだ。

とくに当該週でいえば・・・(続く)

この続きは、noteマガジン『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記:2020後半戦』でどうぞ。コロナ禍の非常時、パリーグの勢力図を塗り替える三木楽天の挑戦を試合評/コラムで綴ります。また、同内容を『まぐまぐメルマガ』でも配信中、こちらは登録初月無料です。みなさんもぜひ僕たちと共に応援しませんか。新たな読者さん、お待ちしております。

ここから先は

3,515字 / 2画像
この記事のみ ¥ 150
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。