【試合観戦記】 3/30西武8-2楽天:荘司修正効かず&打線ゴロ量産。松井西武に最多8失点

松井西武に最多更新の8失点

開幕2連敗は12年ぶり5度目。
8失点は松井稼頭央監督が指揮を執るライオンズ戦では最多を更新した。

先発・荘司康誠が、まさかの結末である。
開幕前の最終調整3/23巨人戦(東京ドーム)では故障明けを感じさせない好内容で締めくくった2年目右腕。

期待募った今季初登板は責任投球回もたずの4回7安打5失点だった。
5失点炎上は、初回無死満塁から崩れて6回8安打5失点を喫した昨年8/19ロッテ戦以来キャリア2度目になった。

あのときもストレートの精度が悪かった。真っ直ぐ50球近く投げて奪った空振り1球のみ、当該被打率.384と打ち込まれた。
本戦も同じくストレートの修正が効かず、古賀悠斗に浴びた一発を含む長短4安打を弾き返されるなど精度を欠いた。

かたや開幕戦で13三振を喫した打線は、今度は相手先発・隅田知一郎を筆頭にライオンズ投手陣の前に打たされゴロを量産。ゴロ率50.0%(12/24)と高く、終盤には2イニング連続の併殺打に倒れる拙攻も見受けられた。

これで開幕2連敗になった楽天は、里崎智也さんをはじめ大方の解説者、評論家がイーグルスの椅子はココ!と指名した最下位へと転落。なんとか開幕3戦目は一矢を報いて、週明け北海道に乗り込みたい。

試合展開

西武=1番・金子(中)、2番・コルデロ(左)、3番・外崎(二)、4番・アギラー(一)、5番・中村(指)、6番・ブランドン(三)、7番・若林(右)、8番・古賀(捕)、9番・源田(遊)、先発・隅田(左投)

楽天=1番・小深田(二)、2番・阿部(一)、3番・小郷(右)、4番・浅村(三)、5番・島内(左)、6番・フランコ(指)、7番・辰己(中)、8番・太田(捕)、9番・村林(遊)、先発・荘司(右投)

両軍のスタメン

マスター&おごちゃん活躍のいっぽう、右の主砲両名が低迷

小郷裕哉が2試合連続の2安打をマークした。

前日も結果球は異なった球種。この日も左腕・隅田のカーブに、右腕・本田圭佑のストレートと異なる球種だった。
前日は左・中へ、本戦も右・左へと打球方向も偏りなくまんべんないところも好印象だ。

また惜しくも本塁セーフになったが、8回2死2塁、アギラーの右安で3塁を蹴ってきた二走・金子侑司を刺すべく、バックホームしたスローイングの精度も素晴らしかった。これ、ランナーが俊足のねこじゃなければ、アウトにできたはずだ。

左腕対策として左の茂木栄五郎に代わり、ファーストに入った阿部寿樹も2安打と元気な姿をみせてくれた。

オープン戦で打率.355と好調だった勢いを駆ったかのような活躍だ。1打席目は初球真っ直ぐを一撃で仕留めると、2打席目にはこの日楽天打者が大いに悩まされた隅田のチェンジアップを応戦。上手いこと角度をつけて左前へ運び、コルデロの拙守もあいまってのタイムリーになった。この日、隅田の看板球を唯一ヒットにしてみせた。

いっぽう、143分の2を終えたばかりとはいえ、主砲の状態が少し気がかりなのだ。

前日は3三振に倒れた浅村栄斗は、本戦も空三振、中飛、四球、遊併打。
開幕8打席以上でノーヒットはパリーグでは西武・若林楽人ら含めて4人しかいない。

とくに初回はマスター、おごちゃんの連打で作った1死2,1塁の好機で、隅田のマネーピッチ=チェンジアップに空三振。

その前段階の2ストライク目をとりにきたカウント球の甘く入ったところを仕留めてほしかった。これを三塁側へゴロファウルにしてしまい1-2へと追い込まれてしまうと、その後のフルカウント勝負でバットがむなしく空を切るかたちになった。

昨年は浅村が3・4月打率.198と低迷したことが、4月終了時はやくも借金5、1試合平均2.83得点とチームの序盤失速を招く一因にもなった。それだけに、今年はなるはやで調子を上げてきてほしいのだ。

フランコは・・・Xにも書いたが、論外である。

前日はスイング4球全て空振り、本戦もスイング5球全てバットが空をきった。
敵軍バッテリーの徹底した変化球攻めに遭い、まるで手のひらで転がされているかのよう。ぜひ開幕3戦目はベンチに引っ込めてほしい。

荘司康誠 球種別の投球診断表

ゲームメイクの基本ができていない

先日、球団公式Youtubeの「楽天イーグルスのここが好きだ!」動画で「グローブもクリムゾンレッドにするほど、クリムゾンレッドがかっこよくて好きです」と答えていた荘司。

しかし、立ち上がりから3イニング連続で先頭打者の出塁を許す苦しいピッチングになった。

初回は1番・金子を追い込んでから真っ直ぐを中前へミート打撃されてしまった。

ロケーションが悪かった。真っ直ぐで金子を仕留めるのなら、外角中段ではなく外角高め。それもボール気味の高さである。彼の全盛期から、あの高さの真っ直ぐに何度もバットが空振りする光景を、僕らは多く見てきたはずだ。

2回は6番・ブランドンに先頭打者四球。カーブが2球連続ストライクゾーンを見失い、ボール先行2-0にしてしまったことが全てだ。この日、荘司のカーブは11球中じつに8球がボールと精度はかんばしくなかった。

3回は8番・源田壮亮にこれまた追い込んだ後の2-2から中前ゴロ安打を許した。

失投だった。決めにいくはずの・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2024』でどうぞ。

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