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【試合観戦記】 7/31ソフトバンク2-3楽天:データから探るドラ1左腕好投と助っ人急ブレーキの背景にあるもの

※ヘッダーの画像は東北大学の構内。4月に仙台へ行ったとき、キャンパスを抜けて瑞鳳寺・瑞鳳殿に行きました。

新たな鷹キラー誕生の予感

「じゃじゃさんナイスピッチング」とは1歳下の内星龍。

「独特なピッチングフォームはやはり思ったより差し込まれている感じがした。(リリースポイントが)見えづらい。後ろが小さくて150キロくらい出るので。もう少し後ろが小さい和田みたいな感じ」とは敵軍・小久保監督。

ドラ1左腕の古謝樹が、自身の持ち味をいかんなく発揮。7/6○E4-0H(みずほPayPayドーム)に続く鷹退治に成功し、3度目の仙台で本拠地初白星を飾った。

初回1番・今宮にいきなりストレートのフォアボール。続く2番・周東にも2球目までボール。立ち上がり6球連続ボールになったときは「どうなるのか?」と心配されたが、腕を振って「置きにいくことはなかった」と解説の大塚孝二さん。黒川、村林らバックの守備支援も受けてゼロで帰ってきた。

すると、2回だった。
味方が新人左腕に先制3得点をプレゼントした。

先頭の4番・浅村が10号先制ソロ。相手先発・大津の低め147キロを応戦し、ようやく飛び出した今シーズン初の右方向本塁打だ。フライボールの軌道を描くことが多いあさむーにしては珍しく、低弾道の痛烈ライナーが右翼スタンドに突き刺さった。

この1点だけで終わらなかったのも良かった。

すぐさま鈴木大が安打出塁。1死後、7番・村林が外角低め誘い球にバット折られながらもくらいついて右前へ。その後2死3,1塁と変わって、8番・太田。女房役のライトヒッティングは「久々に芯で捉えた感覚あった」という、相手拙守を誘う右越えの2点三塁打になった。

古謝は4回に2点を失ったが、2、3、5、6と4イニングで三者凡退ピッチ。

「自分の投球ができれば十分やっていける感じはしていた」とは本人談。前日は3発含む17安打10得点の破壊力をみせつけた若鷹軍団を相手に物怖じすることなく好投した。

3勝中2勝がソフトバンク戦での勝利となり、楽天に新たな鷹キラー誕生の予感だ。

試合展開

ソフトバンク=1番・今宮(遊)、2番・周東(中)、3番・栗原(三)、4番・山川(指)、5番・近藤(左)、6番・正木(右)、7番・井上(一)、8番・海野(捕)、9番・牧原(二)、先発・大津(右投)

楽天=1番・小郷(右)、2番・()、3番・辰己(中)、4番・浅村(指)、5番・鈴木大(三)、6番・フランコ(一)、7番・村林(遊)、8番・黒川(二)、9番・太田(捕)、先発・古謝(左投)

両軍のスタメン

7月総括と8月展望

これで7月日程を終えた楽天。7月は12勝8敗の勝ち越しになった。

下記表のとおり、月を重ねるごとに勝率アップ。交流戦が明けて同一リーグとの対戦に戻った7月は、再び失点増となって、その点は継続課題になったものの、特筆すべきは打線の活発さだ。

楽天の月間成績

1試合平均得点を今季初めて4点台にのせてきた。

主砲・浅村の復調が大きい。

安東理紗さんのベンチレポートによれば、今季序盤から打つポイントや高さ、タイミングなど少しずつズレていたので修正して試行錯誤を繰り返したなか、交流戦ぐらいから少しずつ改善でき、本人も手応えを深めた模様だ。4発放った7月月間OPS1.010はパリーグ1位だった。

全試合3番に座った辰己の一皮むけた成長も、チーム躍進の原動力になった。

背番号8が7月に刻んだ13得点はパ2位、13打点もパ2位。攻撃の起点役から生還したり、ポイントゲッターになったりとすこぶる機能していた。

楽天といえばリーグ最多19度を数える逆転勝利というイメージが強いが、7月は劇勝を飾った7/28○M7-8xE(楽天モバイル)のインパクトは大きかったものの、逆転勝利は3試合のみ。じつは先制ゲームが多く、20試合中13試合で先手を取り、当該13試合では10勝3敗。先行逃げ切りのパターンで白星を築き上げた。

8月はAクラス入りへ正念場だと思う。

じつは2022年も月間の1試合平均得点が最大化したのは7月だった。2022年7月は5.09得点だった。2023年も同様で4.64得点。しかし、その勢いを維持できず8月9月は尻すぼみに終わったという経緯があった。だから打線が7月の勢いを維持できるか?だ。気がかりはフランコ。来日2年目のドミニカンについては後述する。

本拠地が屋外だから致し方ないのだが、1年で最も暑い8月は25試合中、完全屋内球場は9試合にとどまる。屋根はついてるのに壁がないから蒸し風呂になることで有名なベルーナドームで6試合が組まれている。夏バテとの戦いだ。

いっぽう、今江楽天に追い風も吹いている。先日Xにもポストしたが、8月日程で貧打どん底の最下位憔悴のナベQ西武戦が最も多く組まれているのが、楽天なのだ。25試合中9試合がライオンズ戦である。ここは白星の草刈場にし、しっかり貯金を稼ぎたい。

古謝の真っ直ぐ球速上昇はホンモノか?

話を本戦に戻して。古謝のストレートの球速が前回7/17●E2-6F(エスコンフィールド)から上昇している。

それまでは平均144.5キロだったが、7/17は146.2キロ、本戦も146.2キロをマーク。この夏場にきて約2キロもアップしている。それに伴い、それまで.302とかんばしくなかった真っ直ぐ被打率は、7/17&本戦では.208と改善に転じているのだ。これが快投の主たる武器になった。

これは日々のトレーニングが実を結びレベルアップしたのか?
それとも、7/17は中10日、本戦は中13日、余裕のある登板間隔がもたらしたリフレッシュ効果なのか。

今後は連戦も増えてくる。登板間隔を中6日とかに戻したとき、どうなるか?注視していきたい。

古謝樹 球種別の投球診断表

牧原大成とクロちゃん

本戦は守備ミスが相次いだ試合にもなった。楽天はレフト中島が、ホークスはライト正木が照明が目に入り、打球を一瞬見失い、捕ることのできたフライを捕りそこねて、それぞれタイムリー長打にしてしまう場面があった。

楽天モバイルパークも、パナソニックが開発した新世代の照明「アウルビームER」を導入したほうがいいのかもしれない。詳しくはNumber1093号の「阪神甲子園球場がパナソニックのLEDで光り輝く」記事参照。

内野守備に目を転じれば、若鷹軍団のセカンド牧原が連日にわたるエラー。前日は股間後逸、本戦はファンブルを喫していた。

いっぽうで2試合ぶりにセカンドスタメンに入った黒川は・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2024』でどうぞ。

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