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【戦評】崩壊止まらず。浅村栄斗の二塁守備力~7/5●楽天2-4日本ハム

※本稿は全文公開中。最後までお楽しみいただけます。

7連敗で首位・若鷹軍団と6ゲーム差

6/23DeNA戦(●E0-3DB)から始まった連敗は、帰仙して日本ハムを迎え撃った13回戦でも止まらなかった。

危機的な大型連敗を受け、楽天はこの日6人を大幅入れ替え。
辛島、小郷、島井を抹消すると、田中、山崎、新戦力の下水流を1軍登録。

打線も大幅に組み替え、3番・ブラッシュ、4番・浅村は今季初、5番にはウィーラーが入った。

しかし、相手先発・有原による粘りの力投の前に無得点。
7回1安打5四球11三振と抑え込まれ、公文、宮西、石川直、秋吉とつながれたファイターズ投手陣の前に、今季最大の16奪三振を喫している。

楽天のクリーンアップが無安打に終わったのは5/24オリックス戦(○E3-2B)に続く今季2度目。
組み替えた打線もこの日は結果が出なかった。

楽天打者は合計59球でスイングしにいき、26球で空振り。

特に苦戦したのは、有原の落ちる球を始め、相手投手陣の変化球だ。
タイミングが全く合わず、23打数1単打、14三振、5四球。
唯一のヒットも9回先頭・山下の秋吉130キロ変化球撃ち右安まで待たなければならなかった。

塩見のかんばしくない100球以降

一方、楽天先発・塩見は1球の失投に泣いた。

0-0の4回無死1塁だった。
4番・中田に投じた1-1からの低め狙いのフォーク。
ところが落ち切らず、ストライクゾーン真中失投に。

この失投を左中間スタンド中段までかっ飛ばされて2失点。
塩見vs中田の対決は2017年以降10打数1単打と良く抑えていただけに、もったいない1球になった。

球数100球を超えてきた7回には、短長2本で3点目を失う。
8番・石井に三塁打を浴び、1死3塁で110球を数えたところでマウンドを後続に託すと、二番手ハーマンが石川亮にスクイズを決められ、4点目を奪われた。

今季の塩見は100球以降の成績がかんばしくない。
これで16打数6安打、1二塁打、1三塁打、1本塁打、3三振、1犠打、被打率.375。

5/28西武戦(○E7-2L)では山川に一発を浴び、6/28ロッテ戦(●E5-6M)では井上に二塁打され、その井上を田村がタイムリーでホームに呼び込む場面もあった。

4点を追った楽天は8回、相手の継投の変わりばなを攻め、銀次適時二塁打、島内押し出し四球で2点を取ったが、栗山監督の「肉を切らせて骨を切る」必死の継投の前に3点目以降は届かず、2-4で敗戦した。

これでチーム成績は2位、77試合39勝36敗2分の貯金3。

各種戦績は、以下になった。

日本ハム戦・・・7勝6敗
リーグ戦再開・・・0勝5敗1分
7月・・・0勝4敗
楽天生命パーク・・・16勝15敗1分
先制された試合・・・17勝29敗2分
6回終了時に負けている試合・・・6勝24敗1分
外国人打者2安打以下の試合・・・21勝31敗2分

ゲーム差は1位・ソフトバンクと6.0、3位・西武と0.5、4位・日本ハムと1.0、5位・ロッテと2.5、6位・オリックスと5.0としている。

両軍のスタメン

日本ハム=1番・西川(中)、2番・杉谷(左)、3番・近藤(右)、4番・中田(一)、5番・王柏融(指)、6番・渡邉(二)、7番・横尾(三)、8番・石井(遊)、9番・石川亮(捕)、先発・有原(右投)

楽天=1番・茂木(遊)、2番・銀次(一)、3番・ブラッシュ(指)、4番・浅村(二)、5番・ウィーラー(三)、6番・島内(左)、7番・田中(右)、8番・堀内(捕)、9番・辰己(中)、先発・塩見(左投)

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各所で戦線崩壊する苦境楽天の現在地 

7連敗中、日没する楽天は、投打の関係が崩壊に追い込まれている。

得点18に対し、失点35。
1試合平均得点2.38に対し、同失点4.38だ。

先制ゲームは1度もなく、初回にあげた得点もゼロ。

適時打は6/28ロッテ戦(E●5-6M)で二木からあげた銀次の右安、渡辺佳の右中二、そして本戦の8回無死1塁に飛び出した銀次の左中二の3本だけと、つながりを欠く状況が続く。

一方、先発陣は立ち上がり早々に4試合8失点と、雰囲気を悪くする失点が目立っている。

前日ソフトバンク戦(●E3-6H)の周東三塁打、グラシアル2ランが象徴するように、初回に長打で攻め込まれる場面が多く、初回に浴びた長打は8本を数えるのだ。(4二塁打、1三塁打、3本塁打)

投打のかみ合わせ悪く、序盤からゲームの主導権を相手に握られ、QS率もダダ下がりの37.5%。
救援防御率も4.19とふるわず、終盤7回以降で記録した失点は、全体の42.9%に及ぶ15失点と良いところがない。

気になった浅村、堀内の守備

良いところがないと言えば、守備陣の綻びも気になるところだ。

すでにTwitterでご紹介したとおり、ここ最近、セカンド浅村の守備力の地盤沈下が目立っている。

7/2ソフトバンク戦(●E6-8H)では浅村の左右をゴロで射抜かれるヒットが目立った。

本戦も同様だ。
塩見が2点を失った7回は、先頭・渡邉の右安が、打球を追う浅村の球際グラブの下をかすめて右前へ抜けていくゴロヒットだった。
ヘルシーなときなら二ゴにしていたはず。
無死1塁と攻撃の橋頭堡を作られてしまったことが、2失点につながった。

無死1塁で7番・横尾。
ここまで犠打は通算2本と、およそバントのイメージがない強打者タイプだが、この場面、栗山監督は横尾に送りバントを指示。

転がったバントは本塁直前。
ここで堀内の優しさが出た。

1塁へ駆け出す横尾と、本塁直前のバントを処理しに前へ出た堀内があわや衝突しかける事態に。
絶好の2塁封殺チャンスは堀内が自重したため実現できず、1死2塁の形を作られてしまった。

あの場面は横尾を突き飛ばしてでもバント処理しに行って欲しかった。
守備妨害の可能性はあるものの、走塁妨害を取られることは、野球規則上ほぼほぼない場面。

それだけに、白球への執念をみせてほしいシーンになった。

中田ソロを2ランにした近藤のヒット

堀内と言えば、悔やまれるのは、4回先頭の3番・近藤への配球だ。

速球、スライダー、速球、速球と4球連続アウトコースの配球で1-2と追い込むと、結果球の5球目は一転、内角にミットを構えた。

塩見は要求どおり投げ切ったが、近藤に上手い対応をされての中安。
この直後に4番・中田に一発が飛び出し、近藤に出塁を許したことで2ランになってしまった。

試合前の時点で塩見の左打者被打率は右打者.208よりもかんばしくない.246。

この.246をコース別に分解すると、

内角 .417 (12打数5安打)
真中 .313 (16打数5安打)
外角 .152 (33打数5安打)

左打者の身体に近くなれば近くなるほど打たれていたことが分かる。

おそらく左の塩見にとって左打者のインコースに投げる作業は、僕らが想像する以上に難しく、球威・制球の精度も下がるのだろう。

今季、塩見は左打者対策が課題になっていた。
6/18阪神戦(○E5-3T)終了時には被打率が.283もあった。

そのなか、前回6/28ロッテ戦(●E5-6M)では、上記の傾向を踏まえ、左打者31球勝負で堀内は内角に1球も要求しなかった。
結果、8打数ノーヒットに抑え、課題の被打率の改善に成功した!

そのため、この試合も左打者に徹底した外角配球で良いのでは?と僕は思ったのだ。

もちろん、外角一辺倒だけでは打者を抑えることはできない。
それでも踏み込まれて外を痛打されるまでは外配球で良い。
打たれたとき、組み立てを再び考えればよいと思いを巡らしていた。

ところがだ。
本戦では左打者57球勝負中、堀内が内角にミットを構えること9球。
その1球を近藤にヒットされ、直後、中田に2ランされた。

じつは近藤には1打席目の中安も内角球を打たれていた。
このときは外狙いが逆球になり内に入ったカーブ。

2打席連続でインコースをヒットにされたことになる。

そのため、2打席目の結果球、わざわざ内角に要求する必要はあったのか?
疑問残るシーンになっている。【終】

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