【試合観戦記】 8/7日本ハム2-0楽天:後半戦は冷え冷え.194。楽天打線を襲う真夏のクリスマスのデバフ効果?!
孤立無援のベテラン右腕
楽天と対戦相手のスコアボードが7回終了時までゼロを刻んだのは、6/14●E0-1C(マツダ)以来、今季2度目になった。
あのときの敵地広島戦は、早川隆久が延長10回まで11K零封する熱投をみせた。味方の援護なく延長11回に突入し二番手にマウンドを譲り、宋家豪が売り出し中の矢野にサヨナラ犠飛を浴びるという内容だった。
後半戦に入って、楽天先発投手が8回のマウンドに立ったのも、HQSを記録したのも、本戦が初。
38歳8ヵ月が序盤から打者の内角を積極的に攻め、持てる球種をまんべんなく使い奮投。そんなベテラン右腕に8回2死1塁、両膝手をつかせてしまったのは、オールスター明け後、調子がいっこうに上がってこない打線の責任だ。
本線終えて後半戦のチーム打率は.194。ほんと冷え冷えだ。
冬を先取りした真夏のクリスマスが打者にデバフ効果をもたらしてるのか、今季の楽天の象徴、不動の1番・小郷は8月25打数1安打に低迷した。
村林も同じく24打数3安打。交流戦で復調のきっかけをつかみ7月OPS1.010/打率.343と本来の姿を取り戻しつつあった浅村も、今月は23打数4単打と仕事ができていない。
小深田にいたっては直近19打席ノーヒットで、7回2死満塁では代打・黒川が送られる始末だった。
恩師ボビーに学ばない昭和然とした今江野球
打線がこうまで冷え込んでしまった背景には、このnoteでも前々から繰り返し言及するとおり、恩師ボビーから何も学んでいない指揮官の運用責任に尽きる。
大量リードでも敗色濃厚でもレギュラークラスをかたくな変えず、疲労を逃すなどコンディションに配慮しなかった今江監督の采配だ。
小郷も村林も打者として経験・引き出しが増えて技術も確実に向上している。
小郷はアプローチを変えて選球眼が研ぎ澄まされ四球率が向上。一振りで仕留める精度も高まってきた。村林はバントの技術が向上し、右打ちの作法も上達してきた。
それなのに、両者とも成績が昨年より悪いのはほんと納得がいかない。
小郷は本戦を終えて打席数が昨年に並んでいる。昨年は441打席でOPS.716を記録したが、今年は444打席で.709である。球界全体の超投高打低を考慮しれば、.709も立派な数字だが、指揮官がもっと配慮をすれば.776を記録する辰己と同程度の数字は残せるのにと思う。
村林は昨年OPS.647だったのに、今年は.553と約1割減なのだ。
辰己は1、2打席目ヒットなくても3、4打席目にヒットするケースが多く、昨日もその典型例になり、さすがだなと思わせてくれたが、守備指標に目を移すと今季ワースト値をさらに更新している。
じつは前日見せた背走好捕は守備指標の改善に寄与することはなかった。よくよくみると、中越え性の当たりだったが、ウォーニングゾーン前方1~2mの外野後方エリアを襲うものではなかった。
いつもと同じく辰己が前方に守っていたことで背走キャッチになったもの。定位置からだったらやや後ろだ。確かに好捕だったが、セイバーではどの位置から何m走行して追いついたか?考慮されないので、こういうことが起きてしまう。ここはセイバーの欠点だ。
打者4巡目の配球を考えるべきだった
7回まで岸の真っ直ぐは上々だった。当該14打数2安打、1二塁打、3三振、1死球の被打率.143。真っ直ぐで郡司、マルティネス、清宮、伏見から空振りを奪うほどだった。
なかでも0-0の5回2死1塁、8番・伏見を迎えた場面だ。1塁走者・上川畑を警戒し、伏見の打席で合計5球牽制球を入れるほどの念入りだった。
盗塁阻止に気をとられたか、楽天バッテリーの配球は真っ直ぐ偏重。オール5球ストレートだった。
伏見も捕手だ。塁上走者を警戒するあまり、真っ直ぐが増えることぐらい想定ついたはず。それでもその真っ直ぐに対処できなかった。
コースだけで言えば、厳しく入った真っ直ぐは1球だけで、残り4球はヒットの可能性を残したもの。しかし空振り、ファウル、右飛と岸の上質なストレートに差し込まれていた。
似たような場面が、0-0の6回2死2塁、清宮4球勝負の空三振でも目撃された。オール4球ストレート勝負。インコース高めを中心に高めでねじ伏せる圧巻の対決だった。
しかし、打者の慣れてきて対応が進む4巡目では、さすがに問屋が卸さなかった、ということか。
確かに・・・(続く)
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