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【試合評】優勝戦線の分水嶺になりかねない「首位転落」3連敗~6/19●楽天1-4ソフトバンク

手痛い首位攻防3連敗

ここぞという要所で必ず競り負ける。
近年のイーグルスには、そんな負のイメージがつきまとう。

リーグ戦再開明けの敵地首位攻防3連戦。

2位・ソフトバンクと1.5差で迎えた楽天は ──もちろん勝ち越せるにこしたことはなかったが── 最低1勝すれば御の字だったはずだ。

しかし、ローテを再編しながら臨みながらも3つ落とす事態になった。同一カード3連敗は5/20~5/22オリックス戦に続く今季2度目の屈辱である。

思い起こせば、昨年もリーグ戦再開明けのオリックス戦に3連敗を喫していた。

イーグルスは交流戦から7連敗をくらい、順位も1位から3位へ後退。オリックスは37年ぶりの11連勝で白星街道を走ると、順位を4位から一気に1位までジャンプアップさせて、優勝戦線の主役へと躍り出た。

2017年もそうだった。コラレスショック下にあった9/1~9/3敵地ソフトバンク戦。先発陣は3戦連続HQSと力投をみせるも、打線が沈黙。36イニング適時打なしで投手陣を見殺しにしてしまう。

初戦は0-2の惜敗で自力優勝消滅。東浜のブラッシュボールに激昂したアマダーが退場処分をくらう出来事があったのも、このときだった。

2戦目も1-3で落とし、梨田監督「全く別のチーム」と茫然。

前夜決起集会を開いて臨んだ3戦目は息詰まるスコアレスのなか、9回裏0-1xのサヨナラ負け。

則本は8回までゼロを並べたが報われなかった。続投した9回に2死2,1塁を招き、デスパイネの中前安打で幕切れ。センター前方を襲ったライナー性の飛球に島内が懸命チャージをかけてグラブに収めたかに見えた。しかしポロリとこぼしてしまう。

1塁付近で歓喜の輪が咲くかたわら、マウンドにうずくまった則本の精魂果てた姿は、今なお印象に残っている方も多いだろう。

一発攻勢と左腕にヤラれ・・・

今回の3連戦は、若鷹軍団の猛烈な火力の前に沈むかたちになった。

栗原、上林が故障で長期離脱。大砲候補のリチャードは伸び悩み2軍低迷中。ベテラン松田も衰え隠せず。一見すると若鷹軍団も世代交代の端境期で苦しんでいるようにも見えがちだが、実際はその穴を埋めようと、牧原大、周東、柳町、野村勇ら代替戦力が躍動している。正直、イーグルスには見られない光景だ。

計16失点中、一発攻勢で14失点。もっと言えば6/10●E1-4G以降の直近6試合、全23失点中69.6%に当たる16失点をホームランで失っている。

前日noteにも書いたように、一発はバックを守る野手陣は成す術なしになる点が大変もったいない。辰己の傑出した守備力も、柵越えの前には意味をなさなくなってしまうからだ。

Twitterにも書いたが、今季ここまでの楽天投手陣は奪三振能力12球団中11位。ゴロを打たせる確率が12球団で最も少なく、代わりにフライを打たれる比率が12球団で最も高くなっている。

セイバーメトリクスで投手を診断するときに重要視される、奪三振、四死球、被本塁打、打球管理の4要素のうち、良いのは四死球だけ。残り3要素で大幅悪化がみられる今シーズンになってしまっている。

いっぽう、打線は左腕の真っ直ぐにアジャストできなかった。

2戦目は大関のストレートに13打数1単打4三振、3戦目の本戦では和田、モイネロのファストボールに14打数1本塁打7三振と封じられてしまった。

これはこの3連戦に限ったことではない。オリックスの田嶋にも当該打率.182、同・山﨑福は・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2022』でどうぞ。

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