【試合評】早川隆久の異変~6/26●楽天0-2西武

ストレートの球速上昇

アンダースローの與座との対戦は2020年8/13○E7-4L以来だった。当時はイヌワシ打線が攻略に成功。3回途中6安打4失点でマウンドに沈めてみせたが、約1年10ヵ月ぶりの再戦ではみごとリベンジされた。

沖縄出身のO型右腕は7回4安打無失点で今季5勝目。この勝利数は髙橋光の6勝に続くライオンズ2位の白星であり、故障で出遅れ今季登板なしの今井の穴を埋める活躍をみせている。

2回先頭・島内の二直、7回1死2,1塁の岡島二ゴ、7回2死満塁で代打・田中貴の一直など、ヒット性の鋭い当たりが野手の正面をついたり、外崎のダイビングキャッチに遭うなど、ハードラックな場面も続出した。

そのうちの1本でもヒットゾーンに弾んでいたら・・・と、たらればを言いたくなってしまうが、とはいえ、與座は確かな成長の階段を登っている。

約1年10ヵ月前と比べてストレートの球速が大幅上昇している。

当時は平均127.0キロ。全球120キロ台止まりだった。しかし、本戦では最速133キロをマーク。平均でも130.6キロを叩き出し、当該47球で空振り7球を記録した。

「真っすぐの走りがよかったです」と本人も手応えを口にした力強い当該球で、楽天打者は13打数1単打3三振に封じられたというワケなのだ。

それにしても、前日は先発・平井以下を前に無得点。一般に左打者にとって右サイドも右アンダースローも球が見えやすいとされる。

しかし、そんな利点を感じさせないまま2試合連続の零敗とは、イーグルスが11連勝後の長き低迷から完全に抜け出してはいないことを再確認させる事態だ。

11連勝後の楽天は13勝23敗。これ、最下位に沈む日本ハムの16勝19敗よりも悪い戦績なのだ。

試合展開

西武=1番・川越(右)、2番・源田(遊)、3番・森(捕)、4番・山川(一)、5番・外崎(二)、6番・栗山(指)、7番・ジャンセン(三)、8番・オグレディ(左)、9番・西川(中)、先発・與座(右投)

楽天=1番・茂木(三)、2番・小深田(遊)、3番・浅村(二)、4番・島内(左)、5番・銀次(指)、6番・辰己(中)、7番・岡島(右)、8番・鈴木大(一)、9番・太田(捕)、先発・早川(右投)

両軍のスタメン

ラッキーセブンを活かせず

楽天に攻略の糸口があったとすれば、3巡目に入ってきた7回裏だった。この3連戦で先に2勝を取ったライオンズは水上、平良、増田が2連投。もし今日登板なら3人とも3連投になっていた。

今や各球団とも3連投はできるだけ回避したい。リリーフ陣のコンディションを重視し、そういう野球のトレンドになっている。

交流戦終了時点での12球団の3連投の回数が下記記事に掲載されており、12球団最多6回はイーグルス。楽天に続くのが巨人の4回で、他10球団は0~1回にとどまる。

案の定、與座は球数も80球と少なかったこともあり、リリーフ陣の負担を減らすべく、ラッキーセブンのマウンドにも登ってきた。

7回の攻撃と言えば、楽天のイニング別得点で最多39得点を誇る。まさにラッキーセブンだった。

それだけに無死2,1塁を作ったこの回、得点したかった。

辰己のバント失敗あり、岡島の中前行きを外崎の球際好守に遭ったり、2死満塁で・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2022』でどうぞ。

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