【試合観戦記】 4/16オリックス2-6楽天:「さあ!借金完済だ!」天敵田嶋を降し、6連戦のアタマで逆転勝利!

初回、浅村ハッスル3点逆転劇

「いくら田嶋大樹が天敵とはいえ、同じ相手に2週連続で同じ負け方は・・・」

小雨の降るなか、先発ポンセが鬼門の初回いきなり2失点したとき、僕の気持ちは一気にどよ~んとさせられた。

立ち上がり制球が不安定だった。

前週は粘りの11球四球で出塁を許した2番・西野真弘に、今週は粘りの9球右前ヒットを許す始末。その後1死3,2塁、前週2安打された4番・セデーニョに中前へ弾き返され、あっさり2者生還の先制打を許した。

「この後どうなっていくのか?」
ハラハラさせられたが、試合はやってみないとわからない。

田嶋の乱調にも助けられ、味方打線がすぐさま反撃開始。今季14試合で初回得点わずか1点にとどまったイヌワシ打線が、初回3点を奪取して逆転に成功した。

田嶋は先頭から2者連続フォアボール。
ストレートが高めに抜けるケースが続出した。とくに左打者の外角狙いがインハイ方向へ、右打者の内角狙いがアウトハイ方向へ。

無死2,1塁、4番・浅村栄斗が仕留めた左中間真っ二つの同点ツーベースも、そんな制球不如意の失投を捉えたものだった。

この後、1死3塁、マスターの三ゴで生還した浅村の走塁が、絶品だった。

三本間に挟まれたが、サード西野のバックホームが逸れた。捕手・森友哉がライン上を外れて横っ飛びするかたちで捕球しにいき、これをみた野手キャプテンは切り返してホーム突入。森が飛びつきながらタッチしにきたところを「浅村の1ミリ」(パテレでは「牛タン1枚分」笑)でかわし、左手で生還してみせた。

思い出したのは3/17ロッテ戦だ。

1回1死3,1塁のワンバン投球。捕手が前で止めたのに、ほんの少し前へ弾いただけのわずかな隙を見逃さず、果敢に2塁を陥れた好走塁を思い出させ、高校時代から数々の修羅場を潜り抜けてきた大坂桐蔭イズムを感じさせる名場面にもなっている。

浅村はホットコーナーの守備でも名場面を作り、久々に攻守走で存在感を発揮。バットではゴロや内野ポップフライを打たされることなく、全ての打球が外野へ飛球で到達する今季初の事例になった。打球に角度がついてきた証拠といえそうだ。

野手キャプテンの活躍がチームの勝利につながった今季初のゲームになった。

戦況を分けた2回以降

戦況は2回以上、どちらが修正できるか?の勝負へ。

立ち直ったのはポンセで、修正ままならずに事実上3回KOでマウンドを去ったのは田嶋だった。

2回以降、ポンセは5回まで4イニング連続の三者凡退ピッチ。変化球を上手く使うことで真っ直ぐの威力をさらに活かす配球変更が奏功し、辰己涼介、村林一輝、浅村の好守支援も受けて尻上がりに調子を上げた。

いっぽう、楽天打線は2回、3回と小刻みな加点に成功。
いずれも先頭打者が長打で出塁したことが大きかった。

2回は石原彪が左翼線ツーベースで無死2塁を、翌3回もマスターがセンター中川圭太の拙守もあいまって2週間連続の田嶋撃ちスリーベースで無死3塁を演出。ノーアウトでのビッグチャンスをしっかり得点へとつなげ、試合の前半だけで勝敗を決めてみせた。

Xにも書いたが、この日の楽天打線は田嶋にカウント稼ぎのファウルを1球も許さなかった。

1週間前はファウルを打たされストライクを稼がれたケースは10球あったが、今回はゼロ。それだけ完璧に打ち返すことができていた、それだけ田嶋の球が指にかからず球威がなかった、と言えそうだ。

天敵を降して6連戦の週頭を取ることのできた意味を活かしたい。
今週はぜひ勝ち越して借金を完済したい。

金曜日から当たるライオンズは現在6連敗と絶不調。
この流れを駆り、その勢いを加速化させていきたい。

試合展開

オリックス=1番・西川(左)、2番・西野(三)、3番・中川(中)、4番・セデーニョ(指)、5番・森(捕)、6番・紅林(遊)、7番・杉本(右)、8番・ゴンザレス(二)、9番・太田(一)、先発・田嶋(左投)

楽天=1番・小郷(右)、2番・村林(遊)、3番・浅村(三)、4番・島内(指)、5番・阿部(左)、6番・伊藤裕(一)、7番・辰己(中)、8番・石原(捕)、9番・小深田(二)、先発・ポンセ(右投)

両軍のスタメン

辰己涼介、打撃十傑に浮上

開幕のタイミングで親子間のトラブルが報じられた辰己涼介が、「結果的に」絶好調だ。

3回2死走者なし、4番・セデーニョのバックスクリーン左(河北新報広告)フェンス直撃コースの快飛球を、背走からのジャンピングキャッチ、さらにフェンス激突してまで白球を離さなかったスーパープレーには、久しぶりにシビれた!

好プレー、ファインプレーはたびたびみせてくれるが、このようなスーパープレーはほんと久しぶりに目撃した気がする。

3年連続ゴールデングラブながらも・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2024』でどうぞ。

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