【試合評】負けた気がしないロッテ21回戦~8/26●楽天0-2ロッテ

無風が生んだ荻野5号決勝ソロ

初回から岸がユニフォームを血染めにし、2回には銀次の痛烈ライナーファウルが飛びのく1塁塁審・村山に直撃するなどあった21回戦。

マリンでは珍しい風速0~2mのほぼ無風状態で行われた2時間35分は、7/21●E0-7H以来の今季15度目の無得点ゲームに終わった。安打が全て単打ばかりのケースも今季19度目を数えている。

終盤8回、安田の左中間塀際中飛に背走したセンター西川が落下点に入りながらもグラブ弾かれタイムリー二塁打にしたプレーは、味方の戦意をくじき勝負あった感を抱いたが、正直、負けた気がしない。

というのは、決勝点になった3回荻野の5号ソロ。

結果球の初球チェンジアップは、岸が炭谷の真中低めミットめがけて投げ切り、外角低めへ逃げるように沈んだ、申し分のないコントロールだった。抜け球や逆球の部類ではなかった。

荻野は8月打率.324と好調。8/10ソフトバンク戦では通算1000安打もマークした幕張の1番打者をリズムに乗せると、やっかいである。楽天バッテリーもそのことは重々承知で初球から勝負球配球。今シーズンも被打率.176と戦果を挙げているチェンジアップで入ったわけだ。

そんな遠く逃げていく球を上手く引っ張って左翼ホームランラグーンまで飛ばすとは...

あえて言えば、1打席目から内角攻めがなかった。そう指摘できるのかもしれないが、岸の責任はほぼほぼなく、打った荻野が超越していたイメージになる。

荻野と言えば、例年真っ直ぐに強い。ときおりみせるパンチ力でファストボールを柵越えまで持っていくイメージは僕の中に常にあるが、低め誘い球を飛ばすとは、正直、想像外だった。

また、無風のイタズラとも言えそうだ。レフトから一塁側方向へのいつもの浜風が吹いてたら、逆風に押し戻され、塀際失速していたかもしれない。

試合展開

楽天=1番・西川(中)、2番・小深田(遊)、3番・浅村(二)、4番・島内(指)、5番・銀次(一)、6番・鈴木大(三)、7番・小郷(右)、8番・渡邉佳(左)、9番・炭谷(捕)、先発・岸(右投)

ロッテ=1番・荻野(左)、2番・髙部(中)、3番・中村奨(二)、4番・山口(指)、5番・井上(一)、6番・安田(三)、7番・岡(右)、8番・佐藤都(捕)、9番・小川(遊)、先発・佐々木朗(右投)

両軍のスタメン

岸CSW%は自身19先発中5位

投球の根幹を成すCSW%(Called+swinging strike percent)は33.3%。これは今季の岸平均の30.7%を上回り、19先発中5位の好成績だった。

2試合連続5失点炎上を喫した前々回・前回は27.4%、27.6%だったことを考えると、33.3%は岸らしい数字と言える。

また、この日は・・・(続く)

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