【試合評】8年ぶりの優勝がリアルに確信できる第一歩~6/8○楽天5-2中日

心震えた島内の決意

今までは夢や希望にすぎなかった8年ぶりの優勝が、リアルに確信できる第一歩になった。

僕がその思いを強くしたのは、松井が代打・根尾を捕邪飛に仕留めて27個目のアウトを取った瞬間ではない。

もちろんゲームセットを迎えたときその思いはさらに強固になった。
しかし僕が最初に感じたのは、2回表の島内の1打席目である。

このとき、ベンチリポーターの河内一朗さんが届けてくれた、島内の声に心が震えた。

「怪我はしてはいけないですが、今は怪我してもいいという気持ちで全開でやってる。周りも良い選手がいっぱいいるので、できるところまで一生懸命やって、その後は神のみぞ知るという感じです」

今シーズン33試合で4番に座る10年選手が、僕の想像をはるかに越えた不退転の覚悟でゲームに臨んでいたのだ。

島内と言えば、ご存じのように8年前の優勝戦線で左肩を怪我。
肩の怪我は選手生命を左右しかねない。実際、その影響もあって日本一の瞬間をグラウンドで迎えることは叶わず、2014~2015年は不遇のときを送った。

2015年オフに広島にある虎の穴の門を叩き、肉体改造へ着手。
その試みが奏功して2016年に復活。翌2017年からは4年連続で規定打席をクリアしOPS.743以上を常に作り上げてきた。

これだけ安定した成績を残すことができた背景には、やっぱり、身体へのケア、怪我防止の意識があったのだと思う。

2019年にはバットを振る回数を極力抑えて体力を温存。さながらアンドリュー・ジョーンズばりの待球姿勢で徹底した好球必打を貫き、コンディションを整えて133試合を走り抜けたこともあった。

過去に大怪我を負ったそんな島内が、今季は怪我してぶっ倒れてもいいと言うのだから、いやはやだ。

リミッターを解除しアクセルを全開に踏み込みながら、さらに凄いのはプレーに粗さが全くなく、研ぎ澄まされていること。

純粋な長打力を診るISOはリーグ平均.132を大きく上回る.224を計測。
この値は前年の.111を超えてキャリアハイなのだ。

それでいて三振率11.7%(同平均20.0%)と例年どおりにおさえ、四球率13.5%(同平均9.1%)も自己最高値である。
強打とコンタクトの両立を高いレベルで実践し・・・(続く)

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