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【戦評】あぁもったいない!『考える野球』で防げた。鷲の守護神候補・森原まさかの被弾劇~2/22●E5-9DB

※本稿は全文noteで公開中。最後までお楽しみいただけます。

課題を残す2戦連続の大量失点

3/15(日)までの約3週間でオープン戦16試合を戦う楽天。
その開幕戦はDeNAと対戦し5-9で敗れ、2/20阪神戦(●E1-9T)に続く2試合連続の大量失点を喫した。

「うまく投げようとしすぎて、自分の思いきりの良さだったり、真っすぐでしっかりファウルを取ったりすることができなかった」と悔やんだ先発・松井が誤算だった。

ちょうど1週間前のヤクルト戦では2回をゼロに抑えたが、この日は予定された3回もたず。
2回1/3で6失点(自責4)を記録し、被安打8、与四球2、与死球1と、球威・制球ともに不十分だった。

二番手・渡邊佑も2死走者なしから失点。
3人目の弓削、5人目の森原もソロ被弾など、ピリッとせず。
無失点でベンチに戻ってこれたのは、7回を三者凡退に締めた四番手・西口1人だけという状況だった。

鷲の新たな火付盗賊=小深田大翔

攻撃陣は7安打で5得点を挙げた。

対外戦14打数5安打の打率.357と好発進をきった小深田が、引き続き好調だ。
2安打3得点をマークした2/19ヤクルト戦(○E12-4S)に続く2度目の1番スタメン起用でもテーブルセッターの役割を立派に演じ、「右線二」「右安」「四球」「二ゴ失」「右二」の3安打2得点と得点に絡んだ。2本目の二塁打は好走塁の賜物だった。

小深田の他は、小郷、銀次、岡島、黒川が各1安打。

銀次は対外戦11打席目にして初安打を記録。
黒川もコンパクトかつシャープにバットを振り抜き、ピッチャーの足元を射抜くセンター返しを弾き返し、解説・橋上秀樹さんを驚かせた。
これでドラ2の対外戦成績は10打数5安打の打率.500だ。

前日に支配下再復帰を果たした下妻も、持ち味を発揮。
8回1死3,2塁では148キロ速球に振り負けることなく応戦し、飛距離十分の左犠飛を作り上げた。

逸機した無死満塁のビッグチャンス

しかし「もっと得点できたのに」という思いも強く残るゲームになった。

というのは、楽天はチャンスの連続だったからだ。
先頭打者出塁は合計6度あり、そのうちノーアウトで得点圏進出できたのも4度あった。

四死球も合計11個と貰い放題。
とくに4回は3者連続四球で『労せず無死満塁』を作ったが、点入らず。
4回1死満塁で島内4-6-3ゲッツーを始め、イヌワシ打線の『1試合3併殺』でチャンスを潰す場面が目立った。

3併殺のうち2本は、打球がゴロになりやすい低めゾーンを打たされたもの。
はたして本当にその球を打ちにいくべきだったのか、狙い球の取捨選択は妥当だったのか。
当事者には『考える野球』で自己採点して振り返ってもらいたい。

そういう意味では、課題のほうが多く残る敗戦になっている。
今回、下記では投手に焦点を当てて本戦を振り返ってみたい

◎両軍のスタメン

楽天=1番・小深田(遊)、2番・鈴木(三)、3番・島内(左)、4番・浅村(二)、5番・ブラッシュ(右)、6番・銀次(一)、7番・ウィーラー(指)、8番・太田(捕)、9番・辰己(中)、先発・松井(左投)

DeNA=1番・神里(中)、2番・梶谷(右)、3番・ソト(指)、4番・佐野(左)、5番・宮崎(三)、6番・ロペス(一)、7番・伊藤(捕)、8番・柴田(二)、9番・大和(遊)、先発・櫻井(左投)

◎試合展開

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先発再転向の松井、まさかの3回途中6失点

気温20度越え、風速も3mと穏やかだったのに、松井のピッチングは実に寒々としていた。

ストレートは最速144キロが1球のみ。
140キロを切る投球も複数含まれ、平均では139.6キロに止まった。

昨年は15.7%の空振り率を誇り、全体の60%近くを占めた軸球の速球が、この日は機能しなかった。

速球25球で空振りは奪えず、じつに5本のヒットを弾き返され、そのうち4本が長打に化けた。DAZNの実況ブースに座った元楽天コーチ・橋上氏も「キャンプのブルペンの時と比べて球威もなかった」と評価していた。

◎松井裕樹 球種別の投球結果

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真っ直ぐが走らないので途中から変化球一辺倒へ。
速球の投球割合も38.5%と不本意なものに終わった。

いや、この日もストレートは機能しなかったというべきか。
前回2/15ヤクルト戦では2回無失点に抑えたものの、速球での空振りはゼロ。
報道によると、最速145キロ止まりだったという。

ということは、前回の2回無失点は相手にも助けられての好結果と見るべきで、先発再転向による調整はまだまだ過渡期で手探り状態というところが、実態なのかもしれない。

「右打者に対して、スライダーやカーブで、外角のボールゾーンからストライクを取れるようにしたい」「しかるべきカウントで(フォーク)一発で打ち取れるような結果を積み重ねていく。自分のものにしていけたら」と描いていた戦前のゲームプランも、あれよあれよのピンチでそれどころではなくなったのが、残念だ。

それでも、これがまだ2月なのが救い。

まだ修正する時間は残されている。
開幕まであと3試合登板が残されていると思うし、ここから修正をかけていけるはずだ。

武器が見当たらない渡邊佑樹

横浜商大時代は大学日本代表候補にも選出されるほどの実力派だったが、プロ2年を終えて1軍登板は昨年7/25西武戦での1イニングのみ。

真価が試される3年目は久米島1軍スタート。
本戦で対外戦4試合目のマウンドに登ったが、2死走者なしから失点した。

先発・松井が3回投げ切れず、神里に適時打を許して6点目を失った直後の3回1死1塁、梶谷の打席でマウンドへ。

その初球前、1塁走者・神里を牽制で誘い出しての二盗死に追い込み2死走者なしにしたのに、梶谷に3-1から四球を与えると、二盗を許した。
その後の2死2塁、ソトに1塁後方の右翼線に適時二塁打を運ばれてしまった。

◎渡邊佑樹 対外戦 試合別 投手成績

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これで対外戦成績は4回1/3で防御率6.23、WHIP1.62、被打率.333。
本来ゴロを打たせて取るタイプなのに、同ゴロ率は23.1%。

打者をねじ伏せる絶対的な球種は持ち合わせていない。
そのため、制球とキレ、配球の組み合わせが重要になってくる。
しかし、ボール先行2-0にするケースが本戦では2度記録するなどコントロールに苦しみ、カウント構築もままならなかった。

付け加えて、太田のリードも疑問符が残る。
NPBで2年連続セリーグ本塁打王に輝いているソトの3打席目・3球勝負は全て同一球種。
120キロ、119キロ、115キロと3球連続のカーブ要求に、どういう根拠があったのか。

もっと言えば、ソトvs松井の2打席6球も全て変化球だった。
強打者を打ち取るのに必要な緩急を作り出すためには、やっぱり速球は必要不可欠。何もストライクゾーンに投げる必要はなく、見せ球で良いのだ。

しかし、この日、太田はソトとの3打席勝負で1球も速球のサインを出せなかった。全てが半速球になったおかげで、ソトの目は変化球に慣れてしまった。その状況下でのカーブ3連投は『危険な賭け』といえた。

もったいない森原のソロ被弾

2本の被弾のうち、もったいなかったのは森原のほうだ。

弓削は打った打者が一枚上。
この日の大和はヒット3本全て長打で、左本の他はフェンス直撃二塁打2本だったから、諦めもつく。

一方、森原の被弾は楠本に不用意に浴びたものだった。
この日の初球143キロ速球を振り抜かれ、右越えソロ弾を許した。

楠本は東北福祉大から2017年ドラフト8位でDeNA入りした大卒3年目選手になる。

力量は1軍通算163打席でOPS.570/打率.207。1.5軍~2軍級である。
大卒の下位指名を考えれば、今年結果を残さないと来年あるかすらも分からない立場とも言える。

それなのに、常にアピールしなければならない瀬戸際選手の本戦1打席目は、まさかの見三振だった。

バットを振ったのは初球ファウルの1度だけ。
0-1からストライク、ボール、ストライクと見逃し、5回2死2塁というチャンスで見三振に倒れていた。

開幕1軍を勝ち取るには積極性を出していくべきなのに、首脳陣の心象を悪くする最悪の結果。
となれば、この反省を踏まえて2打席目は、初球からアグレッシブに甘い球を狙ってくるに決まっている。

松井の後継守護神を狙うなら、森原には打者心理を踏まえた1ランク上の投球を心がけてもらいたい。【終】

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