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【試合感想文】 6/25西武5-2楽天: 早川不調を表した西武ドラ1のプロ1号3ラン

結果球は蛭間拓哉が苦手とする球種だった

その光景はあまりにも衝撃的すぎた...

本戦の決勝弾になった2回2死2,1塁、蛭間拓哉のプロ1号3ランの話になる。

“早大新旧ドラ1対決”は、フルカウント7球勝負までもつれていた。

先発・早川隆久が素晴らしい制球力を発揮。初球~5球目まで外角低めを塗り潰していくかのような徹底した出し入れを展開した。ストレート、カットボール、チェンジアップ。球種を複数変えながら、左打者から最も遠くて攻略困難なロケーションに徹底させ、カウントは1-0、1-1、2-1、2-2、3-2と進んでいった。

ただ1つ気がかりは、常にボール先行だったことぐらいだった。

蛭間も高い集中力で対峙していた。

2球目カットボールに空振りをした以外は、しっかり球を見きわめているように感じられた。5球目の外角低め誘い球には出かかるバットを我慢してボールを選んだシーンも目撃されていた。

そして6球目だ。外角中段カットボールがファウルになった後、高橋雅裕さんがこんな解説をしたのだ。

「けっこう対応は良いですよね。1球振った後の低めは見逃せてますし、今のは小さい変化ですけどもタイミングは意外と合ってますので、今のを見るとインサイドどれくらい強いかわかりませんけど、インハイにボール行きたいなと感じますけどね」

その直後の惨劇だった。
解説どおり捕手・炭谷銀仁朗のミットが一転して内角へ。

しかし早川が内角に投げ切れない...

146キロストレートが真中高めに甘く入ったところを豪快に振り抜かれてしまい、レフトからライトに吹くいつもの風にも乗るかたちで打球は右翼スタンドまで届いてしまったわけだ。

大学時代にはシート打撃などで1度も打てていなかった早大の先輩・早川から放ったこと、左vs左を制したこと、まさかの3ランになってしまったことなどもさることながら、僕を最も驚かせたのは『蛭間が苦手な球種を仕留めたこと』にあった。

ここに『桐生球都公式サイト』というサイトがある。

そこに掲載された蛭間のインタビュー記事を読むと、西武のドラ1はアマ時代から一貫して真っ直ぐを苦手にしてきたことを知ることができる。

「野球をやっている間、ずっと課題にしてきたことです。高校でも、レベルが高い投手に対してはそうでしたね。プロに行って教えてもらって、改善できればいいなっていう思いがあります」

「変化球はある程度対応できているけど、真っすぐの打ち損じが多いです。オープン戦から改善できていないですし、自分の中でもまだしっくり来ていなくて……」

ストレートが苦手だと言及するくだりが繰り返し出てくるのだ。

そのことを知っていたから、驚いてしまった。

試合展開

西武=1番・源田(遊)、2番・鈴木(左)、3番・外崎(二)、4番・渡部(一)、5番・中村(指)、6番・マキノン(三)、7番・岸(中)、8番・古賀(捕)、9番・蛭間(右)、先発・隅田(左投)

楽天=1番・辰己(中)、2番・伊藤裕(三)、3番・小郷(右)、4番・浅村(指)、5番・岡島(左)、6番・炭谷(捕)、7番・阿部(一)、8番・小深田(二)、9番・村林(遊)、先発・早川(左投)

両軍のスタメン

◆ 早川も早川だ…(ガクッ!)

もちろん、蛭間のポテンシャルの高さを認めないわけにはいかない。苦手克服への取り組みが実を結んだと言えるのだろう。

打った打者が素晴らしいを大前提にしながらも、いっぽうで早川の・・・(続く)

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。あなたの野球観戦の「良き伴走者」を目指して。月10回以上を所収。ただいま新規読者さん募集中!

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