【試合観戦記】 4/17オリックス5-0楽天:みすみす見逃した31球。特徴を失ったイヌワシ打線の“変”
空振りゼロ投手を火消しに向かわせる今江楽天
スコアだけみれば、継投失敗で負けたゲームだ。
両軍先発が投手戦を演じたオリックス5回戦。
相手の新外国人エスピノーザは7回5安打無失点。今季初勝利を目指した楽天の岸孝之も、粘りのピッチングで踏ん張った。
39歳のベテランは毎回のようにランナーを背負ったが、6回6安打1失点。
頓宮に浴びた一発の最少失点にとどめる必死のゲームメイクをみせていた。
しかし岸が後続にマウンドを譲った7回、楽天は一挙4点を失う。
二番手・鈴木翔天が塁上にランナーを残し、2死3,1塁で4番・セデーニョを迎えたところで降板。楽天ベンチは伊藤茉央を火消しに向かわせたが、この右の変則がストライク入らなかった。
2者連続四球で押し出しを与えると、なおも満塁の場面で6番・頓宮裕真。
昨年の首位打者を早々に0-2と追い込んだものの、安直に3球勝負しにいった結果が右翼線への走者一掃スリーベースとなり、万事休すとなった。
Xにもポストしたが、これで伊藤茉は今季3登板を終え、38球でストライク15球、ストライク率39.5%だ。奪った空振りはゼロ! こんな投手を火消し役に仕立てた首脳陣の判断ミスとしか言いようがない。
粘投もリズムの悪さが目立った岸110球
いっぽうで、先発・岸が作った場の流れ、雰囲気が悪すぎたのも事実である。
指揮官が言及したリズムの悪さが、とにかく目立ち、応援するこちら側も波に乗れない状況。
自らの球に往時のような球威やキレがないことは、本人がよく自覚している。
だからこそ投球が慎重になる。
ストライクゾーンの四隅を厳しく狙いすぎるあまりにボールになる。
球審・長井功一の辛めのジャッジもあいまって、テンポは遅くなり、ボール球もかさむ結果になった。
ダム決壊みたいに、いずれ悪い流れを呼び込んでしまうだろうという不穏な予感は常に満ちていた。
エスピノーザが獲得した見逃しストライクは31個
試合後、今江監督が総括したように、エスピノーザに後手後手にまわり、楽々投げさせてしまった印象だ。
その証拠に下記表をご確認ください。
この日、楽天打線はオリの新外国人に31球に及ぶ見逃しストライクを稼がれてしまったわけだ。
先発投手が1試合に稼ぐ見逃しストライクは、20球以上だと優秀。
30球以上ともなれば・・・という話なのだ。
ちなみに楽天先発投手が見逃しストライク30球以上を記録した最後の例は、2021年3/30ロッテ戦までさかのぼる。ZOZOマリンとの相性が良い岸が、9回8安打無失点で3塁踏ませずの無四死球完封勝利をしたとき、107球を投げて当該34球を記録していた。
だから、それだけ滅多にないことなのだ。
異様に多すぎた31球の内訳は下記のとおりだ。
1打席に見逃しストライク複数を許した打者も9人に及んだ。
一般にストライク1球は・・・(続く)
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