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【試合評】楽天・石井監督がみせた「10年に1度クラス」の大胆采配~4/18○楽天4-1日本ハム

10年に1度クラス

解説・建山義紀さんも驚いてたが、石井監督が採用した采配は『10年に1度あるかどうかレベルの珍しい作戦』になった。

1点を追いかける2回表・楽天の攻撃である。

1,2塁間を射抜いた先頭・鈴木が無死から二盗に成功。続く黒川がアウトコースを見極めてフルカウトから1塁に歩くと、8番・岡島が三塁線へ絶妙なバントヒットを決め、無死満塁を作ったシーンだ。

バッターボックスは9番・太田。

敵軍先発の新外国人左腕アーリンの投球がボール先行2-0した後。
ストライクを取りにきた3球目だった。

捕前に転がしたスクイズで、3塁から鈴木大が捕手のタッチをかいくぐって生還に成功した。

満塁でのスクイズは封殺プレーや本塁ゲッツーのリスクがあり、滅多にお目にかからない作戦になる。

実際、楽天では2018年6/9●E1-2C(マツダ)以来、2年10ヵ月ぶりの作戦になった。

当時は則本vsジョンソンの投手戦で6回までスコアレス。楽天は合計3度のゲッツーで逸機する苦しい戦況だった。

0-0で迎えた7回表、粘投のジョンソンからウィーラーの先頭打者死球を皮切りに1死満塁を作る。そして打席には嶋。1-0からの2球目でスクイズを決め、三走・島井が生還した。

しかし、当時は1死満塁だった。本戦のような無死満塁ではない。

無死満塁という条件で過去のプレーデータを確認すると、2013年以降の楽天戦では──対戦相手のほうも──存在しない。

2019年6/20○E3-2T(甲子園)、2点ビハインド5回無死満塁、投手・石橋の打席で0-1からの2球目のときにスクイズの構えを引いて見逃しストライクというシーンはあったが、投手を揺さぶるための陽動作戦の可能性が高く、本当に実行する気があったかは疑わしい。

そのため、これを対象外にすると、2013年以降の楽天戦では、本戦の太田の投犠が唯一の例になるわけだ。

無死満塁、ボール先行2-0だった。
押し出しリスクを考えたら、3球目は必ずゾーンに入れてくる。

相手はスクイズに不慣れな外国人投手。
もっと言えば本戦が来日初登板。緊張を強いられるマウンドだった。

打席の太田は「ここは最低限、犠飛でいいから3塁走者を生還させてほしい」という局面ではキャリア通算58.3%の高確率で三走をホームに呼び込んできた。

石井監督はそれらの情勢判断から「勝機はある!」と決断したのだろう。
恩師ノムさんを彷彿とさせる見事な奇手になった。

◎試合展開

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◎両軍のスタメン
楽天=1番・辰己(中)、2番・小深田(遊)、3番・島内(左)、4番・浅村(指)、5番・茂木(三)、6番・鈴木大(一)、7番・黒川(二)、8番・岡島(右)、9番・太田(捕)、先発・早川(左投)

日本ハム=1番・郡(三)、2番・高濱(二)、3番・近藤(指)、4番・中田(一)、5番・大田(右)、6番・今川(左)、7番・万波(中)、8番・石川亮(捕)、9番・上野(遊)、先発・アーリン(左投)

記録に残らない隠れた好走塁

4-1で勝利した本戦の決勝点は、3回茂木のバットから生まれた。
この回から登板した二番手・金子の必殺球チェンジアップを仕留めて1,2塁間を割る一打になった。

4/8○E4-0L以来となる、ようやく出た主将のタイムリーに安堵感を覚えながら、と同時に僕を唸らせていたのは、直前に発生した・・・(続く)

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