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【戦評】石原彪。自力CS消滅のなか二桁失点危機を防いだ「影の立役者」~10/16●楽天3-7ソフトバンク

露呈した楽天投手陣の課題点

今季ソフトバンク戦では防御率0.66、2勝負けなし。
ゲーム前、敵軍の立花打撃コーチに「ウチには良いんだよねぇ」とボヤかせていた塩見だった。

そんな楽天きっての若鷹キラーによる、まさか2/3イニングでの降板劇。

今季、楽天先発投手が1回持たずマウンドを去ったのは、7/26○E5-4Bで危険球退場した藤平に続く2人目。
塩見自身も1回4失点で降板した2015年9/18オリックス戦を更新する自己最短降板になっている。

いつもの塩見を知る僕らから見れば、理解に苦しむ光景になった。

考えにくい6連打に4者連続タイムリー。
浴びたヒット6本も、完全なる失投を打たれたわけではない。コースも高さも間違えたのは、川島の左安、中村晃の右安の2本だけだった。

それなのに、28球を投げて空振りわずか1球しか取れず、スイング11球に対し安打6本を弾き返され、そのうち5本が内野守備網の間を破るゴロヒットに。

これらを鑑みれば、降板理由の腰痛は「取ってつけた言い訳」でも「バツの悪い弁解理由」でもなく、本当に腰に違和感を抱えながら投げていたのだと思う。

そのため球にいつもの球威やキレがなかった。
まるで打撃投手が投げるような球になってしまったと言えそうだ。

塩見も今年大卒10年目の32歳、もう全然若くない。
2018年10月には椎間板ヘルニアの手術を受けるなど、ここ数年はいつ発症するか分からない腰の爆弾を抱えながら、懸命に投げてきた。

塩見の例のように、イーグルス先発陣の問題はここにある。

完全復活を遂げた涌井も今年34歳。
前日2年5ヵ月ぶりの完封勝利を飾った岸は36歳だ。

則本も30歳に突入し、石橋とて29歳。
今季は首脳陣の起用法に振り回され先発4登板にとどまる辛島も30歳。
その辛島を超える先発6登板に投げた福井は32歳である。

先発陣の主力のほとんどが30歳超え。
20代と比べて故障リスクが高く、状態維持に配慮しながら起用する必要のある高齢選手ばかりだ。

昨年から今年にかけて台頭した弓削や瀧中も26歳だ。

過去イーグルスが躍進したシーズン、その原動力を担ったのは田中、永井、則本のような『20代前半の若手先発投手』だった。ところが藤平の伸び悩みに代表されるように、現在『20代前半』の層がきわめて薄くなっている。

◎今年25歳以下投手の陣容
25歳・・・松井、近藤、渡邉佑、木村(育)
24歳・・・安楽、西口、鈴木翔
23歳・・・津留崎、福森
22歳・・・藤平、高田
21歳・・・(該当者なし)
20歳・・・引地、佐藤、清宮(育成)
19歳・・・王彦程(育成)、小峯(育成)

残り10日を切った今秋のドラフト。
石井GMが早くも公言しているように先発を獲りにいきたい。
とくに狙うは20代前半の大卒即戦力だ。松井の先発転向が頓挫した今、他球団との競合覚悟で早稲田大学の早川隆久投手にいくべきだと思う。

◎両軍のスタメン

楽天=1番・小深田(遊)、2番・鈴木(三)、3番・浅村(二)、4番・島内(左)、5番・ロメロ(指)、6番・田中和(中)、7番・銀次(一)、8番・下水流(右)、9番・下妻(捕)、先発・塩見(左投)

ソフトバンク=1番・周東(遊)、2番・川島(二)、3番・柳田(中)、4番・グラシアル(左)、5番・栗原(右)、6番・中村晃(一)、7番・松田(三)、8番・バレンティン(指)、9番・甲斐(捕)、先発・ムーア(左投)

◎試合展開

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水を得たスペシャリスト

今季3度目の1軍昇格で同日「8番・右翼」スタメン出場。

ようやく水を得た魚の起用法で、今季1号2ランを含む2安打3打点の活躍。
守備では2塁走者・周東をバックホームで刺す補殺もみせてくれた。

「水を得た」と書いたのは、ここまでの起用法で当該選手をどう使いたいのか、三木監督のハッキリしない起用法が、下水流の状態を心身共に下げていたからだ。

今季初登録の6/30○E15-4Mに終盤代打起用されたが、相手が悪すぎた。
「左投手キラー」が本分なのに、それとは全く正反対のタイプ=右サイドスロー東條とのムチャぶり対戦。結果はあえなくの3球三振だった。

翌7/1○E5-3Mは相手先発は左腕の小島だったが出番なし。
7/4に抹消されるまで与えられた打席は、東條との1打席だけに終わった。

2度目の昇格は7/21●E3-10Bのこと。

同日相手先発はサウスポーのアルバースだったが出番なし。
楽天打線は変化球を低めに集められゴロを打たされ、アルバースに6回5安打2失点の好投を許している。

この試合・・・(続く)

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