【試合感想文】 6/16楽天5-6x巨人:楽天の防御率2年連続パリーグ最下位の理由が分かった気がする
気になる酒居の連投時成績
2014年以来の交流戦優勝を狙う巨人に、最後の最後でどんでん返しをくらった同1回戦になった。
2点リードの9回は本戦投げれば4連投となる松井裕樹を回避。
代役守護神に防御率0.55を誇った酒居知史を2連投で送り出すも、坂本勇人に逆転サヨナラ3ランを被弾した。
(楽天戦での坂本の一発は、あの足立祐一&青山浩二被弾以来?)
これはやむなし。30歳右腕も打たれるときもあるでしょう。
しかし、これで背番号28の今季成績は下記表のとおりになった。
上記表は酒居の今季成績を、連投初日(あるいは単発登板)と連投2日目・3日目の2つに分けたものになる。
今季は移籍後初めてキャンプを2軍で過ごし、自分どおりのマイペース調整で開幕に臨んだ酒居。開幕13試合連続無失点と好発進を飾った背景には、1にも2にも酒居個人の奮闘があることは間違いないとして、その他のファクターの1つには良すぎたBABIPなどに加えて、起用法もあったと思う。
開幕13試合連続で連投なしの単発登板だった。
これがベテランの体調管理にプラスに作用したのでは?と推測している。
しかし、ここへきて2連投、3連投も増え始めた。
その結果、上記表どおりで、連投時の成績が(まだ3登板・2回のみとサンプル少ないが)かんばしくないのだ。
この結果を受けて、楽天ベンチの起用法が、やっぱり連投はなるべく避けたほうがいいとなるのか、今後も多少の連投もやむなしと起用していくのか、どう変わるのか注目したい。
背番号1を贅沢に使いすぎた結果は・・・
それにしても、改めてこちらにも記しておくけど、楽天ベンチのブルペン運用はスマートではないなあと思ってしまう。正直、今週は松井裕を贅沢に使いすぎた感は否めない。
6/14●E3-4xCでは同点の9回に登板、前日6/15○11E-Cは4点リードの9回に投げた。いずれもセーブシチュエーションではなかった。
各球団、抑えの起用法はいろんなスタンスがあると思う。セーブ機会のみの登板を基本線にする球団もあれば、同点の場面でもいとわずに注ぎ込んでいくチームも。楽天の石井一久監督、小山伸一郎投手コーチは後者の立ち位置だ。
そういう野球観になるため、登板に占めるセーブ比率は下記表のとおり、松井裕はかなり低く54.5%になっている。つまり、セーブ機会ではない場面での登板が両リーグ通じてかなり多い部類になるわけだ。
そのため、投げれば4連投になってしまう本戦9回のように、本当に使いたい場面で使いにくい状況が生まれてしまう。
6/14●E3-4xCのは同点9回は珍しい登板だった。同点の9回だから一番良い投手から注ぎ込んでいくのがセオリーという説もあるが、それは表を抑えれば裏にサヨナラ機会があるホームゲームでのこと。
実際、2021年以降に0-0/同点の9回に松井裕が登板したケースを調べてみると、21試合中14試合はホームゲームなのだ。
また、4点リード9回に登板した6/15○11E-Cはそれまで2点差。直前に田中和基が1号2ランを放ち、すでにブルペンで準備していたからそのままいかせたのかもしれないが、肩を作っていたということは《そもそも3連投を回避する気がなかった》と言える。
ここのnoteでも繰り返し指摘しているように、昨今の球界は3連投がかなり減った。
たとえばパリーグで2016年と2022年を比較したとき約4割減だ。
今年に限って言えば、ソフトバンクで3例、楽天で5例の合計8例だけ。
全日程の約40%を消化したというのに、ロッテ、オリックス、日本ハム、西武ではまだ3連投が1度もない。
結果、松井裕は6/15に4点リードの9回に登板したことで、今季初の3連投+直近7日間で5登板目という登板過多を引き起こしてしまった。(ちなみに昨年の松井裕は1度も直近7日間で5登板はなかった)
先発と救援の投球回が10イニング差もない
松井裕の使い方だけではない。もっと他にも原因がある。
たとえば、先発陣だ。このような結果になってしまった一端には、今月に入って先発陣が仕事をできていない部分も大きい。
例えば本戦終了時で6月の投球回は、先発57回、救援47.1回、ほとんど変わらないのだ。ふつうなら圧倒的な差で先発>救援になるところ、その差が10イニングもないのは、楽天とソフトバンクだけなのだ。
水面下で発生していた異常事態
また、こういう問題もある。下記表を参照ください。
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