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【試合感想文】 8/2楽天2-3xオリックス:「楽天が弱いのはこういうところ!」上位2球団と差を詰める絶好機を逃す

楽天が弱いのはこういうところだよ

ペナントレースも佳境を迎えると、試合中にライバル球団の戦況も気になってくる。例年オールスター明けると僕はイニングごとの観戦メモに他球場のスコアを走り書きするのだ。

その意味で言えば、この試合は落とすことのできないゲームだった。

ZOZOマリンでは2位・ロッテが日本ハムに6-8で破れ、ベルーナドームでは3位・ソフトバンクが西武に0-2とシャットアウト負け。首都圏の2球場では京セラドームより先に決着がついていた。

後半戦に入り、令和の怪物が故障で戦線離脱した2位・ロッテは2勝5敗と苦戦中。昭和の野球でナインから総スカンを食らっているといわれる藤本博史監督の3位・ソフトバンクは、打率十傑に4人も名を連ねながら投打かみ合わず3勝7敗と失速している。

だから、この試合をひろえば、2位・ロッテとは7.0差、3位・ソフトバンクとは3.0差に差を詰めることができたのに、残念な結果だ。

このnoteに古くからおつきあい頂いてる読者さんがよくおっしゃるけど、イーグルスの弱さはこういうところだと思う。

みんな調子が良いということは、みんな調子を落とすリスクも

打線は9回先頭の代打・西川遥輝がヒットを放ち、最終的に9本まで積み重ねたけど、一時期の勢いはなくなった印象を受ける。

オールスター前の10試合はチーム打率.296だったが、オールスター明けの10試合は.251なのだ。

象徴的だったのは、初回先頭打者の村林一輝。

球宴前の7月反転攻勢を担った公立出身8年目の起爆剤が、宮城大弥の前に1度もバットを振らずに3球三振に倒れた。

今シーズン、楽天打者がストライク3つ見逃して3球三振を喫したのは、この村林のほかには5/4○M0-6Eの浅村栄斗の1打席目だけである。

X(Twitterのこと)にも書いたけど、みんな調子良かったということは、みんなして調子を落とすリスクもはらんでいる。ここが正念場なのかなと思う。

試合展開

楽天=1番・村林(遊)、2番・小深田(二)、3番・小郷(右)、4番・浅村(指)、5番・伊藤裕(一)、6番・岡島(左)、7番・フランコ(三)、8番・太田(捕)、9番・辰己(中)、先発・荘司(右投)

オリックス=1番・野口(右)、2番・宜保(二)、3番・紅林(遊)、4番・中川圭(中)、5番・頓宮(一)、6番・宗(三)、7番・セデーニョ(指)、8番・若月(捕)、9番・渡部(左)、先発・宮城(左投)

両軍のスタメン

太田光の3塁戻れず、辰己涼介の緩慢守備

それにしても、この試合は間一髪や球際が目立つゲームになった。

1点リードの7回1死2塁、宜保翔の中前同点打は、ジャンプしたセカンド小深田大翔のわずか上を越えていくライナーだった。嗚呼...コブが上背のある大型内野手だったら、おそらくグラブに収めていたはず。

同点に追いつかれた後の同1死2,1塁、中川圭太の放った右越えの長打コースを球際もぎ取ったのはこの日逆方向へヒット2本を刻んだ小郷裕哉。懸命な背走半身からのジャンピングキャッチだった。

そのなか、残念だったシーンが2つあった。

1つは1点リードした5回1死満塁のチャンス。複数変化球を投げ分けてくる宮城大弥に、太田光が二塁打で突破口を切り開くと、辰己涼介、村林も続いた場面である。塁上を全て埋めて、バッターボックスは小深田。

フルカウント7球勝負の結果球はコブの好物真っ直ぐ。捉えた当たりは間違いなくヒット性だった。しかし、サード宗佑磨の正面をつき、飛び出した三走・太田は戻れずのゲッツー。

このときベンチの石井一久監督は憮然とした表情ではなく、柔和を残した苦笑いだった。

おそらくサインはバットに球が当たる瞬間にスタートを切るインパクトゴーだったのだろう。太田はベンチサインを遂行したわけだから、これはやむなしである。

問題は2つ目のほう。前述した7回の宜保同点打だ。

小深田頭上すれすれを超えたため、2塁走者・廣岡大志は、抜けてから三進した。

このとき、センター辰己の判断はどうだったのか。
「だろう」「かもしれない」と勝手に決めつけて、少しの慢心が入り込み、中継に強度の低い返球をしてしまったのではないか。

確かにセンター右の打球でまわりこんでの処理からのスローイングになったため・・・(続く)

...続きは『Shibakawaの楽天イーグルス観戦記2023』でどうぞ。

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2018年9月のGM就任から始まった石井体制も5年目へ突入。今年はGM職を外れて監督業に専念する総決算・集大成の戦いに。監督も「狙うのは優勝ですね。優勝以外を掴まされてもハズレ」と不退転の決意を示す今シーズンを試合感想文やコラムなどで綴ります。

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