【戦評】浅村の孤軍奮闘実らず。鷹キラーの美馬まさかの返り討ち...~楽天●4-6ソフトバンク
美馬、今季ワーストタイ3被弾
セパ12球団で巨人と並ぶ最多183本の一発を放ったソフトバンク。
CS1stステージ初戦でも2発放った若鷹軍団の本塁打攻勢は、2戦目になっても止まることなかった。
豪砲の標的になったのは先発・美馬。
今季はソフトバンク戦に防御率1.97、3勝1敗、被打率.222。
無類の相性を発揮した「鷹キラー」が、3被弾に沈んだ。
1回、3番・柳田の右中本はテラス席へ着弾 (124キロのカーブ)
3回、4番・デスパイネには「技あり」左本2ラン(142キロのシュート)
4回、6番・福田には「今年一番の当たり」という自画自賛の右本(133キロのフォーク)
各種球種を打たれ、3被弾は今季ワーストタイ。
被安打5本は全て長打になり、4回5失点で降板を余儀なくされる「まさかの事態」に陥った。
それでも打線が互角に点を取り合い、4回表までシーソーゲームの様相だった。
獅子奮迅の活躍劇で鷲軍を牽引したのは、3番・浅村。
初回に両軍1点ずつ取り合い始まった本戦、3回には楽天が勝ち越し。
2-1とする勝ち越し点は、浅村による今ポストシーズン3本目の一発だった。
直後に美馬が柳田の適時二塁打、デスパイネ2ランで3失点。
2-4と逆転を許したが、翌4回には1死満塁のチャンスで再び浅村。
2-2と追い込まれる状況不利のなか、驚きの巧打をみせた。
外角低めのワンバウンドしそうなカーブを上手くひろい右前へ。
この巧打が2点タイムリーになり、再び4-4にした。
しかし、試合が振り出しに戻ったのもつかの間。
直後に美馬が6番・福田に被弾すると、翌5回には救援陣が攻め込まれ1失点。
4-6と再度突き放されると、楽天打線は5回以降1安打のみ。
ホークスの継投リレーに封じられ5回以降に9三振を喫し、当該7本の打球も6本がゴロと牛耳られた。
得点圏打席はソフトバンク9に対し、楽天は16。
イーグルスのほうが多くのスコアリングポジションを作ったが、得点圏でのヒットは前述浅村の1本のみ。
先発バンデンハーク以下、苦しむ若鷹投手陣を前に要所でつながりを欠いた。
楽天打線は先発バンデンハークから追い込まれてから5安打3四球と粘りの応戦をみせただけに、あと1本が出なかったのが悔やまれてしまう。
一方、ソフトバンクは松田の代役・福田のスタメンが的中。
美馬との相性が今季18打数2安打8三振と悪かった熱男を外し、代わりに出場した福田が一発含む2本の長打。[
3番・柳田、4番・デスパイネも揃って3安打と中軸が機能した。
これでCS1stステージは1勝1敗。
ファイナル進出をかけた決着は翌日の第3戦へ。
楽天の先発は岸だ。
2013年以降はヤフオクドームで15試合先発し97.2回を投げて防御率2.86、8勝4敗。
相性の良い敵地でのMr.安定感の好投に期待を寄せたい。
ソフトバンク先発は高橋礼。
楽天打線は鷹のアンダースローを良く打っており、高橋礼の楽天戦防御率4.20はパ対戦カード別でワースト。
嫌なイメージはないだけに、きっとやってくれるはずだ。
両軍のスタメン
楽天=1番・島内(左)、2番・茂木(遊)、3番・浅村(二)、4番・ブラッシュ(右)、5番・銀次(一)、6番・藤田(三)、7番・ウィーラー(指)、8番・堀内(捕)、9番・辰己(中)、先発・美馬(右投)
ソフトバンク=1番・牧原(二)、2番・中村晃(左)、3番・柳田(中)、4番・デスパイネ(指)、5番・グラシアル(三)、6番・福田(右)、7番・内川(一)、8番・今宮(遊)、9番・甲斐(捕)、先発・バンデンハーク(右投)
.
継投失敗の5回失点劇を振り返る
12球団2位の救援防御率2.70を誇る自慢のリリーフ陣が5回に失点した。
5回アタマから継投に入ったが、この判断は適切だったと思う。
美馬はすでに4回5失点。
今季66.7%を誇ったストライク率は本戦では59.7%。
この値は3回4失点に終わった6/19(〇E9-4T)に続く今季ワースト2位だった。
レギュラーシーズンでは47.2%を記録したゴロ率も本戦では30.8%。
この値も26先発中23位の低さで、ゴロを打たせる自身の投球ができなかった。
そのなか、5回の相手攻撃は3巡目に突入する1番から。
上位3人は美馬が苦手にする左打者が並び、4番には前の打席で2ランのデスパイネ。
となれば、5回アタマからの継投は正しいジャッジのはずだ。
左が3人続く場面のため、二番手で高梨を送り出した判断も問題なし。
2死1塁で4番・デスパイネのところで、右の青山にスイッチした判断も妥当なもの。
今季のデスパイネの打率は左投手.375に対し、右投手.237だったからだ。
はたして青山vsデスパイネの3球勝負は全て外角狙いのスライダー3連投。
その3球目を軽打で右前へ運ばれ、タイムリーになった。
不運が重なった。
高梨は2死走者なしから、、、
※ここから先は読者登録してくださったあなたへ!
後半戦も楽天の試合評/コラムをnoteに綴ります!
購読はnoteマガジン『Shibakawaの犬鷲観戦記【2019後半戦】』がオススメ! 11/30まで所収、1日約18円であなたの野球観広がります!
登録初月無料のまぐまぐメルマガでも同内容を配信中!
読者の皆さんにいただいたサポートで、さらなる良い記事作りができるよう、心がけていきます。