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【試合評】負けないベテラン右腕の独擅場。19年からの連勝記録は9へ~3/30○楽天5-0ロッテ

快投乱麻の9連勝

青グラブの「Mr.安定感」が、今シーズンも敵地マリンを独擅場にした。
2019年9/16オリックス戦から「負けない王子」は、その連勝記録を遂に9へと伸ばしている。

7回終了時で球数は、わずかに71球。ちょうど5年前の千葉、美馬がプロ初完封勝利を96球で飾って以来、イーグルスでは達成されていない100球未満の完封勝利の期待も高まるほど、みごとな省エネぶりだった。

終始リズムは小気味よく、四死球ゼロと無駄なランナーを許さない。この日、3ボールまでもつれたケースはゼロ。音楽に例えるなら、ビートルズの名盤を聴いているような夢見心地に誘われた。

光ったのはストライク率である。
その値は78.5%と、きわめて高い数字を叩き出している。

打者34人中30人に初球をストライクから入り、4球目以降に決着ついた打者16人との勝負では81.3%が3球目までに2ストライクを取ることに成功。

確認してみたら、投手有利カウントからの投球は54球を数えるほど、常に投手有利の状況を作り出していた。
開幕3連敗でチーム打率.163と元気のないマリンガン打線を安全運転で封じ、移籍後3度目の完封勝利は今季12球団一番乗りのシャットアウト劇にもなった。

浅村1号&茂木1号

打っては主砲と主将のアベックホームランだ。

浅村は2回に先制の1号ソロ。6回に2点目をもたらす左前タイムリーを放つと、なおも2死2,1塁の好機で後続の茂木が早大対決を制した。

左腕・小島が外角狙いで投じたカットボールが失投となって甘く入ったところを一閃。本戦の岸の出来を考えたら、ロッテに完全にトドメを刺す勝負ありの3ランになった。

この試合、石井監督とコーチ陣は本当に楽だったと思う。

ゲーム展開は理想のかたちで、岸も省エネで崩れる気配が微塵もない。
継投のプランなど選手のやりくりをあれこれ考えなくて済む左団扇の好ゲームになった。

◎試合展開

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◎両軍のスタメン
楽天=1番・辰己(中)、2番・小深田(遊)、3番・島内(左)、4番・浅村(二)、5番・茂木(三)、6番・鈴木大(一)、7番・横尾(指)、8番・田中和(右)、9番・下妻(捕)、先発・岸(右投)

ロッテ=1番・荻野(左)、2番・マーティン(右)、3番・中村奨(二)、4番・安田(三)、5番・レアード(指)、6番・菅野(一)、7番・藤岡(遊)、8番・田村(捕)、9番・藤原(中)、先発・小島(左投)

布石を打った主砲の一撃

2本の本塁打のうち、とくに注目したいの浅村の1号ソロのほうである。今後の小島との対戦で大きなアドバンテージとなる布石を打つことができたと思う。

というのは、2-2からの6球勝負、内角攻め145ストレートを打ち砕いたからだ。捕手・田村の構えたミットより多少甘く入ったものの内角に到達した速球だ。その勝負球を器用にスタンドまで運んでみせ、解説・初芝清さんは打った浅村を褒めていた。

真っ直ぐを打たれたことで・・・(続く)

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