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貴方は天使


美しい 儚い 微笑みをどうか

青空のような 木漏れ日のような 緩やかな時を


息の絶える 心も立ち上がれない程の日々で

貴方の翼をそっと撫でさせてくれたら


貴方を抱き上げたら

それはそれは軽いのでしょうか

それならば、いつまでも抱えていたい

どこに行くにも 何をするにも



貴方のくれる魔法は 奇妙な 刹那の記憶

それは 世界を何も変えやしない

戦争は無くならないし、
あの人の嘘は見抜けないし、
今日も誰かが仲間外れで、
道にはゴミが落ちたままだ


しかしながら、全くもって不可思議だけど

貴方と私の魔法が いきつづける限り

街路樹の遥か上 雛の寝息が聞こえる

真昼の雲の隙間 その先を横切る星が見える

抱きしめる時 貴方の背中に畳んだ翼に触れる

私の背中に回した手で 冷たい硬い 蝋が溶ける


貴方は天使

私はイカロス


魔法のように 静かに思い出す  

大空を飛び回った 遥か昔を


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