ここは地獄

日が昇って暫くしてから8回目、スマホのアラームでようやく意識が覚醒して、ろくな朝飯を食ったり食わなかったりして一日を始めて、みんな日々生きている訳だけど、良い人間であろうとしてる事を時々思い出すくらいで、後はそれぞれの正義で世界を見ているから、まあ自分が善人か悪人かなんて正直分からんスね。


よく知らないのに目に付く誰かを批判する時自分の事は棚に上げるし、明らかに悪いことしてても身内が他人に陰口叩かれてたらちょっと擁護しちゃう。感情をコントロールして生きるのには才能か洗脳が必要で、「情」は私達を滅ぼす。

事情を知ってる、知ったこっちゃない、意外、やりそう、被害者、加害者、親族、他人、憎い、愛してる、どうでもいい、頭より先に身体が、分かっては居たけど、これくらいの事、せっかくだから、これが正しい、etc

私達が感情を持って生きる限り、善悪の判断なんて水面に境界線を引こうとするようなもの。
司法は私達には感情など無いとして、決め事をしているのだろうなと思う。でないとあれ程までに平等で不公平な概念を作れる筈がない。

誰もが感情的に生きれば、文明は崩壊して、脳みそ以外退化した歪な肉体が自然への捧げ物になるのは時間の問題だ。
猿の惑星に出てくる野生化した人間みたいな。
名作だよね。
あれもう最新作では猿と猿の戦いになってた。
人間蚊帳の外じゃないすか、、対立・葛藤する猿ってなんすか、、勝手にやって下さい、、なんで猿が強くなり過ぎて人間の出る幕無い映画に2000円も払わせるんスか、、

かと言ってどれだけ忙しく走り回り、他人に値札を付け人生を算出し続ける日々を送れど、頭からも心からも「感情・人らしさ」というものを完全に抜き取ることは出来ない。
感情を完全に忘れてしまっている人が居ても、目の奥で息も絶え絶えに心のある位置に手を伸ばす哀れな姿が見える。その度悲しくなる。
勝手に、やり切れなくなる。


論理的な思考はどんな時も求められるし出来て損は無いからそれに依存する人達を沢山見た。
葬ってきた感情や愛や憧れを、彼らは忘れているのだろうか。思い出したなら、何を想う。

感情的な思考は自分の心に自分自身を近付けて、肉体と精神の乖離から守ってくれるけど、外側の人達が敵になるか味方になるかが博打だからそれに振り回されて泣き叫ぶように生きる人達も沢山見た。美しく、愚かだった。

かくいう私は、賢い振りをして自分を納得させるために言葉を並べるけど結局身体の内と外の違和感に耐え切れずにゲロ吐きまくってる。
感情5兆の論理42.195。感情の奴隷。

知らないモノを恐怖する時、その顔はあまりに情けなく醜い。
だが私達はどうしたって烏滸がましくて図々しい。
こんなにも辻褄の合わない世界、神様は施しとして作るだろうか？
自然界はひとつの大きな輪となって繋がり保ち合っている筈なのに、少なくとも私が生まれてからそんな様子は一向にない。
だとすれば、この世界で、ヒトとして、感情と思考を抱えて生きるこの場所が、既に落とされた地獄なのだろう。
私達は皆、かつて大きな罪を犯しその償いとして人生があるのだろう。そして凝りもせず、生きる意味や価値を自分の外に押し付けて幸せと呼ぶ。感じ方・考え方、裏っ返しのヨノナカで信じるモノがあったりするならそれは大変幸運なコトでしょう。
暖かくなってしまうまで、それを掌でしっかり握り締めて近所の駄菓子屋さんまで行こう。
ずっと昔に潰れたあの商店街の角の駄菓子屋さんに、きっと好きだったお菓子が置いてある。


落とされた地獄で、感情という罰を受けながら生きてきた人生の時間の中で、好きだと思えたものがある。
誰の言葉も届かない、自分の奥の奥の方に、信じたものがある。
何が善くて悪いのかも分からず、社会の事象に背を正して、宇宙の事象に身を委ねる。
地獄だのなんだの言ってるのに宇宙とか言い出して宗教観めちゃくちゃ。
いいもんいいもん、精霊信仰はなんでもありだし。
ここは地獄で、天使が黒幕で、神様は土星の輪っかに住んでるし、冥王星が惑星から除外された本当の理由はガブリエルが受胎告知した時急いでたせいで羽根が当たって冥王星が欠けたのを黙ってたのが天文学のせいでバレたから。

ほらね、天使が黒幕。