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白血病治療法の検討①|白血病ってどう治すの?

今回は抗がん剤治療をはじめるにあたり
どの治療法(プロトコル)に則って進めていくか検討したときのことを2回に分けて書きます。

1回目は下記3つのことに触れたいと思います。
これは私達の体験記であり学術的な文書ではないことご承知おきください。
①白血病の中には分類がある
②急性リンパ性白血病の基本的な治療法と流れ
③白血病って治るの? 


①白血病の分類
まず白血病というのは、血液が造られる過程で正常な血液細胞が造られずに、未完成な細胞が異常発生して、正常な血液細胞がなくなってしまう病気です。
そして白血病には、「急性白血病」と「慢性白血病」の2つに大きくは分類され、さらにそこから病気の種類によって「リンパ性白血病」と「骨髄性白血病」とに分かれます。

その中で、いーたんは「急性リンパ性白血病」と診断されました。
小児白血病の約7割が急性リンパ性白血病とのことです。
リンパ性と言うのは、血液細胞内のリンパ性の白血球が未熟に造られてしまうことというのがわかりました。


②急性リンパ性白血病の治療の流れ
小児の急性リンパ性白血病の治療は大きく三段階あります。
- 寛解(かんかい)導入療法
- 強化療法(地固め療法)
- 維持療法

寛解導入療法と強化療法は入院治療となり、約8~12ヶ月の期間がかかると言われています。
そして、維持療法は、通院と一時入院を繰り返しながら、さらに1~2年続ける治療です。

各段階での目的は、、以下の通り。
- 寛解(かんかい)導入療法 ---- ガン細胞の量を一気に減らし、寛解状態を目指す。寛解とは、骨髄中にある白血病細胞が全体の5%未満であること。
- 強化療法(地固め療法)---- 寛解後さらに白血病細胞を減らしゼロを目指す。中枢神経への転移予防も行う。
- 維持療法 ---- 寛解導入療法と強化療法で寛解を維持した状態でも、体内のどこかに潜んでいるガン細胞の存在を考えて、継続的な治療をすることでガン細胞ゼロ目標と再発防止をする。

ただ文献をみても、治療後の最終的なゴールとして「完治」という明確な言葉はなく「完全寛解」という言葉や、「寛解後○年生存率○%」という記述で白血病って治らないのかなと不安になりました。


③白血病って治るの?
しかし、調べるうちに、白血病はいまは治すことのできる病気として捉えられつつあることはわかりました。
ただ、白血病は血液のがんですが、がん細胞(腫瘍)を取り除いたら「完治」ということではないことも学びました。

抗がん剤治療の効果で寛解して、
検査で正常な造血できていることを確認しても(腫瘍を取り除いても)、検査するのは採取した血液や骨髄だから、もしかしたら目に見えないレベルでまだ悪さをしていないガン細胞が体内(血液中)に潜んでいるかもしれない。つまり再発が1番こわいし避けたいことです。

だからこの“もしかしたら(=再発)”のことを考えて寛解後にも治療が続きます。
そして治療が終わっても、今の医学では完全に再発の可能性がなくなるのがいつかというところまでは分かってないとのこと。
だから、治療後は<治療後○年生存率(再発なし率)>という言葉が指標になっているのです。

だからいーたんの目標は、まず寛解。そのあと治療期間は寛解の継続。そして治療後は再発しないこと。これです。

小児白血病の記事や本のなかでは治療後、3〜5年の生存率について書いてあることが多く。
まずはそこまでの経過を追うのが気の抜けない踏ん張りどころです。

と、白血病という病気の大枠を理解した我々は
次のステップに進みます。
どの治療法(プロトコル)を選択するのか。というところです。

次の記事で、我々夫婦がいーたんの治療法を決めるときに大事にしてたことを書きたいと思っています。


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