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『イタリア式結婚式と披露宴』

6月のイメージは圧倒的に「梅雨」かもしれませんが、「ジューンブライド」の言葉を思い浮かべる人もいるでしょうか。
さて、コロナ禍では世界中で結婚式を延期したり、縮小したり、今までとは違う形式でされた人も多いと思います。
ここ1年での変化は周囲で結婚したひとがいないので、よくわかりませんが、これまでのイタリア式王道結婚式をご紹介します。

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日本では挙式や披露宴をせず、入籍だけをするカップルも多いですが、イタリアには戸籍システムがないので、縮小した規模であっても市役所の一室で式を挙げます。私自身はまだ参列したことがありませんが、市役所の庁舎に内装が豪華なお部屋があり、いわゆる人前式が行われます。戸籍システムはありませんが、誰かと結婚した場合、個人IDには何年、何月、何日にどこそこで生まれた何なにさんと結婚しましたと言う記録が残ります。

細かい役所の話やジューンブライドのギリシャ神話の話ではなく、イタリア式結婚式と披露宴について少し書き進めます。

イタリアも日本同様、招待状が届きます。郵送もありますが、身近な相手なので手渡しも多いです。
カトリック教徒の場合、挙式は教会、そのあと大移動で披露宴会場集合の流れになります。
イタリアの笑い話などでも取り上げられますが、挙式が朝の場合でも、それは約1時間、移動から食事時間は長く、南イタリアになればなるほどその時間は体力勝負になります。参列者は数日前から体調を整え、食事調整をするほどです。

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私自身が参列した挙式と披露宴の最短で朝の11時から夕方の5時でした。長かったのは南イタリア出身カップル、地元での挙式と披露宴、こちらは挙式会場に私と一緒に行ったお友だちが一番乗りで、時間を過ぎても誰も来ず、会場を間違えたかと思いました。そこから少しずつ人が集まり挙式、移動して披露宴会場のお庭でのアペリティーボ(食前酒と軽食)、食事に移りました。2時頃からの挙式で披露宴は日付が変わっても続いていました。宿泊しないひとたちは最後のあたりで流れ解散状態、日本であり得ないかもしれません。お開きになったのが1時前でした。
これを体験して、余興やあいさつがほぼなくてひたすら食べてしゃべるだけなのによく間が持つなと感心しました。それぞれがある意味しゃべりの達人なのかもしれません。

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面白い別の習慣として、お祝いを渡す方法です。最近は少なくなったようですが、イタリアでは新郎新婦が欲しいものリストを準備し、そのリストに自由な金額でお祝いを払うことがあります。リスト管理は代理店が行うので、事前に払うことができる上、挙式前や挙式日にお祝いを準備することはありません。もちろん現金を包む場合もあります。
ちなみに挙式と披露宴に参列する場合の交通費や宿泊費は自腹です。だから逆に身内以外は多額のお祝いを包むことはないです。もちろん大量の引き出物を持って帰ることもありません。

イタリア、日本どちらの挙式や披露宴も国の違いだけではなく、地域性やご家族、新郎新婦、それぞれのアイデアでひとつひとつが素敵だといつも思います。

ただ、イタリア式結婚式の場合、招待状をいただいた時点で、どの人もその前週の食事調整を真っ先に考えているかもしれません。
お国が変わってもおめでたい席はうれしいものです。体力勝負なイタリア冠婚葬祭、なかなか面白いです。

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