1分で読むオペラストーリー 「メリー・ウィドウ」

 ポンテヴェドロ(架空の小国)の君主の誕生パーティが、フランス公使館で華やかに催されている。ポンテヴェドロ国民で大富豪の未亡人ハンナも、会場に到着する。
財産目当ての男たちにちやほやされるハンナを見て、彼女の財産が再婚相手を通じて外国に流出してしまうため、国庫の心配をするポンテヴェドロ公使のツェータ男爵は、ハラハラしっぱなし。なんとか、同国人と再婚させようと、ハンナのかつての恋人ダニーロを、今夜のパーティに呼びつけてある。
ところが、心を頑なにしたダニーロは、「ハンナとは結婚しない」と言い切ってしまう。一方ハンナは、ダニーロをダンスに誘うが、意地になったダニーロはそのダンスの相手の権利を他の男に売ると言い出すしまつ。
しかし、心の奥では愛し合っている二人は、結局、手に手をとって踊りだす。

ツィータ男爵の妻ヴァランシエンヌは、かつての恋人カミーユに誘われ、あずまやで二人っきりに。
ツィータ男爵が、偶然そこを通りかかるのを見たハンナは、ヴァランシェンヌの危機を悟り、機転を利かせて彼女と入れ替わる。

ハンナに、婚約者だといってカミーユを紹介されたツィータ男爵とダニーロはびっくり。ショックをうけたダニーロは、お気に入りの店マキシムへ引き揚げようとする。
その姿をみて、ハンナは、ダニーロの自分への愛がまだ続いていることを確信する。

妻の浮気を疑うツィータ男爵は、ヴァランシエンヌと離婚して、国庫のためにハンナと再婚することを決意する。しかしハンナは、遺言により再婚したら財産は自分のものではなくなる、と話す。
ツィータ男爵が妻の浮気を疑う元となった「私はあなたを愛しています」と書かれた扇の裏には、ヴァランシエンヌの字で「私は夫が何より大切です」と書いてあり、男爵夫妻も仲直り。

ハンナの財産目当てに結婚するのだと思われることを嫌っていたダニーロも、ようやくハンナに愛を打ち明けることができ、二人は結ばれる。ハンナは、財産は再婚相手の物になることを打ち明け、国庫の心配をしていたツィータ男爵もほっと胸をなでおろすのだった。

   メリー・ウィドウは英語訳で、原語のドイツ語では“Die Lustige Witwe”

日本語に訳すと「陽気な未亡人」となる。

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