北大路翼『生き抜くための俳句塾』
副会長が「驚愕」したという「無頼的俳句のススメ!」「最も過激な入門書」とは!?
オビにひかれ、興味津々で読み始めましたが、これまでの入門書のイメージを覆される、期待以上の無頼っぷりで、愉快に驚かされました。
その過激さや不埒さは潔ささえ感じさせるもので、もちろん入門書なのですが、読んでいくと北大路翼という人間を繙いているような気になってきました。全身全霊でぶつかってくるような語り口で、俳句への真っ直ぐな熱意が伝わってきます。「おわりに」にあるように、文字通り「俺の遺書」のごとき切実さも感じさせます。
そしてまた、俳句が、綺麗ごとからだけでなく、不健全さや弱さや愚かさからも生まれるものであるという詩の本質的なところも見えてきます。まさに、「生き様が俳句になっている」「俳人」ならではの一冊でした。