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俳句津々浦々(20)

副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。


留守宅の仏壇に造花秋の雨

どんな留守宅なのだろう。「留守宅」とは主人が不在の家とか人がいない家。その留守宅の仏壇に供える造花。なぜ造花なのかと言えば、生花を備えるとなかなか訪れることのない留守宅なので、枯れてしまうからか。まあ、長持ちさせるために造花を供えることもあるかもしれない。ひょっとすると住むことのなくなった実家の仏壇か。中七の字余りもなんだか、造花を供えることへの少しの蟠りをあらわしているのかもしれない。「秋の雨」は時に淋しく、時に慰めのように降り続く。

~2023年10月21日 三重 夏井いつき 句会ライブ in いなべ~(加根兼光:nhkk協賛サポーター)


nhkk事務局:
「俳句津々浦々」が、市井の俳句や、身近な場面が詩になっていく俳句の楽しさに触れ合うぺージになればと思っています。
17音で詠んで読む俳句は、気軽に取り組むことができる可能性に満ちた魅力的な教材(文芸)です。学校現場で俳句に取り組まれている先生方からの具体的なご報告もお待ちしています。

■日本俳句教育研究会(nhkk)
「俳句」を教材とした様々な教育の可能性を研究する日本俳句教育研究会は、「俳句」を教材に教育活動を展開しようとする教師や俳句愛好家の情報交換の場になりたいと活動する任意団体です。