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図書室

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俳句に関する書籍の紹介だけでなく、事務局長が出逢った書籍の感想などを思いのままに綴る、個人的な図書室です。好みに偏る傾向があります。
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夏井いつき・ローゼン千津『五七五と出会った子供たち』

副会長の新刊は、「俳句と出会い、言葉を育て、心を育て、生き抜く力を手にした子供たちのノン…

福島智『ぼくの命は言葉とともにある』・福島令子『さとしわかるか』

「盲ろう者として世界で初めて大学教授となった」東京大学の福島智さんの実話を小雪さん主演で…

志賀直哉『暗夜行路』

高校一年生の『現代の国語』に収録されている「城の崎にて」。授業で扱うたびに、脚注の解説に…

山本文緒『自転しながら公転する』

年末に放送された松本穂香×藤原季節のスペシャルドラマ『自転しながら公転する』。評判が良い…

せきしろ×又吉直樹『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』

せきしろさんと又吉直樹さんの自由律俳句本2冊。『カキフライが無いなら来なかった』が第一弾…

川上弘美『三度目の恋』

背表紙には、次のように紹介されています。 『伊勢物語』の六段、「鬼一口」で知られる芥川の…

森博嗣『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』

萩尾望都さんの『トーマの心臓』が、森博嗣さんによって小説となっていたことを今さらながらに知り、手に取りました。 萩尾さんの作品はどれも重厚で、純文学を読んだような読後感を抱かせてくれるのですが、私にとって『トーマの心臓』は、『銀河鉄道の夜』の というジョバンニのセリフを彷彿とさせる物語でした。森さんの作品については、ロジカルな思考と、形而上的な思想との配合が絶妙面白いな、と思っていたので、萩尾コミックがどのように料理されるのか楽しみに読み始めました。 小説は、舞台を日本に

ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

すでに続編となる完結編も刊行されている話題の一作目を、やっと手に取りました。新潮社の書籍…

出久根達郎『漱石センセと私』

直木賞作家である出久根達郎さんの『漱石センセと私』。月刊『パンプキン』に連載された「いと…

松浦寿輝『花腐し』

11月10日公開、綾野剛×柄本佑×新井晴彦監督の映画『花腐し』の原作が、第123回芥川賞受賞…

山田詠美『血も涙もある』

まさに、タイトル通りの「血も涙もある」小説でした。新潮社のホームページ紹介には、次のよう…

西加奈子『くもをさがす』

ベストセラーとなっている西加奈子さん初の「ノンフィクション」は、カナダでの乳がんの闘病記…

夏井いつき・奥田瑛二『よもだ俳人子規の艶』

副会長の新刊は、映画監督であり俳優であり画家でもある奥田瑛二さんとの対談本です! 『よも…

井伏鱒二『黒い雨』

本日8月15日は「終戦の日」。日本俳句教育研究会(nhkk)の旧ブログ記事の移行が完了し、気分も新たに公式note「図書室」に投稿するのは、井伏鱒二『黒い雨』です。 広島の原爆を扱った記録的作品で、第19回野間文芸賞を受賞しています。タイトルとなっているのは、原爆投下の20分後くらいから降った黒い雨です。この黒い雨に濡れた人、雨で汚染された水を飲んだ人が放射線障害をきたしたことはよく知られています。実は、私の誕生日が原爆忌の8月6日ということもあり、以前から読んでみたいと思