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法人とは何か?個人事業主との違いを解説

法人とは法律で人と同様の権利と義務が認められた組織のことです。目的の事業を実施するために設立されますが、個人事業主とは何が違うのでしょう。今回は法人と個人事業主の違い、法人化するメリットとデメリット、法人化を検討するタイミングについて紹介します。

個人事業主と法人は、大きく分けて以下の4つの違いがあります。
・手続き方法
・税金
・経費
・社会的信用
それぞれの違いを紹介しますね。

【手続き方法】
個人事業主として事業を始める方法は、法人にくらべると手間がかかりません。管轄の税務署に開業届の個人事業の開業届出・廃業届出を提出すれば終了です。法人を設立するときは法人登記の手続きが必要で、少し手間がかかります。また、個人事業主の手続き費用はかかりませんが、法人設立の場合は、法定費用と資本金が必要です。

【税金】
税金の大きな違いは、所得税法人税です。個人事業主には、1年間の売上から必要経費を差し引いた利益に所得税が課せられます。所得税は累進課税で、利益が大きくなればなるほど税率が高くなる仕組みです。法人は所得税ではなく、法人税が課せられます。法人税の最高税率は23.20%で所得税ほど高くありません。では個人と法人でどちらが得なのでしょうか。所得税と法人税だけで比較すると、課税対象額が大きい法人のほうが得であるといえます。

【経費】
個人事業主も法人も事業上でかかる費用は経費として計上できますが、個人事業主は経費として認められる項目が限られています。たとえば、自身に対する給与や生命保険料は経費としては認められません。一方の法人は自身の給与も含めた人件費や接待交際費、地代家賃、通信費など、事業に関連するさまざまな費用が経費として認められます。個人事業主に比べて法人は、計上できる経費が幅広いといえるでしょう。

【社会的信用】
個人事業主は事業を営むこと自体に問題はありませんが、法人と比較すると経営状況がみえにくく、社会的信用が低い傾向にあります。個人事業主によっては新規取引先の開拓が、思うようにいかないこともあるようです。法人は会社法といった法律に基づいて事業を営んでおり、経営状況を明らかにする義務も負っています。取引企業はもちろん、銀行のような金融機関からも社会的信用を得やすいといっていいでしょう。

次に個人事業主が法人化するメリットを紹介します。
・税負担の軽減
・社会的信用の獲得
・資金調達のしやすさ
・社会保険への加入
それぞれの違いを紹介しますね。

【税負担の軽減】
先述したように個人事業主は所得税、法人は法人税を支払いますが、税率には差があります。国税庁によると所得税は課税所得を基準に税率を7段階に分けており、最高税率は45%です。一方の法人税の税率は先述したように最高でも23.20%です。個人事業主の利益が増えて所得税の税率が法人税の税率よりも高くなった場合は、法人化したほうが税負担が軽減されるということでしょう。

【社会的信用の獲得】
法人は個人事業主とは異なり、事業を続けていくうえで社会的な責任を負っており、個人事業主よりも信用されやすいです。業績を明らかにすることが義務づけられている点も、法人と個人事業主の違いといえるでしょう。

【資金調達のしやすさ】
銀行に融資を申し込むことは個人事業主でも可能ですが、審査が厳しくて融資を受けられないケースもめずらしくありません。法人の場合は社会的な信用が高い法人は融資の申請が通りやすく、資金調達がしやすいといえるでしょう。

【社会保険への加入】
法人は健康保険・介護保険・厚生年金をふくむ社会保険への加入が義務づけられています。社会保険加入のメリットは、従業員の福利厚生や保障を手厚くできることです。従業員にとってはありがたかいことで、離職率の低下につながるでしょう。

個人事業主が法人化する3つのデメリットは以下です。
・手続きや費用が増える
・納税額が増える恐れがある
・社会保険の加入義務が生じる
それぞれの違いを紹介しますね。

【手続きや費用が増える】
個人事業主から法人化すると、やるべき手続きや費用が確実に増えます。まず会計や税務上の手続きが増えると想定しておきましょう。

【納税額が増える恐れがある】
個人事業主は赤字でも所得税を支払う必要がありませんし、住民税もかかりません。しかし、法人は赤字でも法人住民税が課せられます。

【社会保険の加入義務が生じる】
社会保険加入の義務は法人化するメリットとしても先述しましたが、実はデメリットにもなります。なぜなら、従業員の社会保険料は従業員と事業者で負担するからです。

個人事業主が法人化を考えるタイミングは、課税所得が700万円を超えて1,000万円に到達しそうなときです。なぜなら、利益がそのまま右肩上がりで増え続けると、所得税の税率が法人税より約10%も高くなってしまうからです。たとえば課税所得が900万円超えだと、33%なので法人税と比べて明らかに高く、節税目的で法人化する個人事業主もいるのでしょう。

個人事業主が法人化するまでの流れをみていきましょう。以下の6つのステップを参考にしてください。
・基本事項や定款を決める
・会社を設立する
・法人として書類を提出する
・個人事業の廃業届を提出する
・廃業前の契約や資産を引き継ぐ
・廃業した個人事業の確定申告をする

結論んとしては個人事業主から法人化することで社会的な信用を高められたり、費用が経費として認められやすかったり、社会保険の加入義務が生じたり、メリットもあればデメリットもあるということです。

法人とは何か?について知っておきたい情報は、以下の記事でくわしく解説しています。

法人とは何か?個人事業主との違いと法人化するメリットについて紹介

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