大丈夫じゃないんですけど。

明らかに平気でいられるはずのない事柄で大変な状況の人に対して、「大丈夫ですか?」とわざわざ訊いてくる意味がわからん。

英語の教科書で「How are you?」と訊かれたときの返事は、「I’m fine. Thank you.」だと教えられた。
よほど具合が悪いのでない限り、決まり文句みたいな挨拶だからと。

日本語にも、例えば

大阪なら、
「儲かりまっか?」には「ボチボチでんなぁ」
京都なら、
「どこ行かはんの?」には「へぇ、ちょっとそこまで」

みたいなやりとりがあるけど。

そんなことを訊いたところで、答えに意味なんてほぼない。
そやのに、なぜ人は安易に「大丈夫?」なんて訊くんやろか。

本当に相手を心配していて、どんな手助けでもしたいと強く思っていたら、そんな愚問は出ーへんはずやと、私は思う。

現に、大して親しくもない人から、明らかに取って付けたような言い方で訊かれると正直かなりカチンとくるので、

「もし、“大丈夫じゃない”って言ったら、何かしてくれるん?」

と真顔で返してみると、たいてい「えっ?」と驚いたような表情をされる。

穿った見方かもしれんけど、相手が「大丈夫」と答える前提で、「声かけして気遣ってあげた自分」でいたいだけなんちゃうの?

と思えてしゃーない私の精神状態は、たぶん全然大丈夫じゃない。


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