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【英語教育】使用するフォントについて

 授業資料や教材で、どのフォントにしようかと思うことはないですか?一昔前なら英語教材を作る時には、よくComic Sansが使用されていたように思います(私も使用していました)。可愛らしいフォントですし、「自然な自体」と感じる人も多いのではないかと思います。最近では私もComic Sansも使わないように心掛けるようになりましたが、どんなフォントが良いとされているのか。新しく学んだことも含めてお伝えします。


UDフォント

『英語教育(大修館書店)』2023年1月号 高田裕美さん(株式会社モリサワ)の記事より

 ディスレクシア(読み書き障害)の子の中には、文字が反転して鏡文字に見えたり、カテゴリー化に困難さを示し、アルファベットの見分けがつきづらい子がいます。ローマン体の「a]や「g」などは英語学習を始めた子にとってストレスを感じるでしょう。そこで、なるべく手書きに近い形状のフォントを使う方が、その子達には認識しやすく、UDフォントがおすすめです。UDフォントの中でも「UD Digikyo Latin」をオススメします。

間違ったフォントの使用やレイアウトで効果半減

① 版面がずれている。
 文字やイラスト、図板の配置する領域のことで、版面からはみ出ることによってテキストがへこみ、読みにくさにつながります。

② 文字の加工
 文字に影をつけたり縁取りしたり、立体的に加工したりするのは、目立つように見えて実はUDフォントの良さを台無しにします。

③ 多くのフォントを使用する
 いろんなフォントを散りばめることにより、気が散って集中できなくなります。書体の種類を増やすのではなく、同じ種類の書体で文字サイズやウエイトを変化させてメリハリをつけると良いでしょう。

④ 「UDデジタル教科書体」の半角欧文は感覚が不自然になるので、プロポーショナル欧文(P付/K付)を使いましょう。
 ⇨ よくフォントに「P」のように付いているものがあるので、それのことだと思います。自然な幅で書いてくれるフォントになります。

UDフォントの無償教材配信

 「フォントの感性を”ON”にするFONT SWITCH PROJECTというサイトで、UDフォントの無償教材配信が行われています。
 また、Youtubeで「Morisawa Inc.」と検索すると、上記の内容をより詳しく紹介してくれています。

教材作成について

『英語教育(大修館書店)』2023年7月号 佐藤良子先生(麗澤大学)の記事より

 UDフォントは文字を歪ませない方が読みやすいので、斜体の使用は避け他方が良いでしょう。飾りがなく線の太さが一定であるサンセリフ体が読みやすいとされます。
 ⇨「サンセリフ体」はネットで検索すると一発で理解できます。要は、手書き文字に近いフォントで、アルファベットを書く時には絶対に書かない「無駄な飾り」がないフォントのことです。

 フォントサイズは12〜14ptが適切で、行間は英語の場合は0.5〜0.7文字分、日本語の場合は0.5〜1文字分が適切で、1行の長さに応じて変わるとされている(髙橋・片山 2019)。


さいごに

 文字とレイアウトって大切ですよね。会議資料や研修資料なども「見にくいな〜」と感じるだけで読む気が失せたりします。子どもなら尚更ですよね。
 アルファベットのあのヒゲの部分。セリフ(Serif)って呼ぶんだとこの記事で初めて知りました(「ヒゲって呼ぶんだ」も然りです)。ヒゲとかウロコと呼ばれるようですが、これは和文体にもあると知り、「確かに!」と思いました。 
 あと、筆上げをしないことをpen liftと呼び、最近では一筆書きで書ける文字(フォント)が増えていることにも気づかされました。小文字のa(NOTEではフォントが選べないので伝えにくいですが)を書く時に、cを書いて縦棒を書いていた文字が、We can!では一画で書ける形になっています。それにより「cl」のように文字が分離したりすることが防げるようになったそうです。
 UDフォント以外にも、Sassoon系のフォントが見やすいと言われたり、他にも「こうしたほうがいいよ」という情報がいくつかありますよね(ちょっと思い出せなくて・・・思い出したら追記します)。
  
 文字って、奥深いですね。