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【45】日々の子育てを見てくれていた知人がくれた『新たな機会とご縁』

前回の記事でも書きましたが、私は美容師だったこともあり、自分自身が美容で何かを作り上げたいという思いがありました。子育てしながらでも活動できるようにと、自宅を改装してサロンを開業しました。そして、開業して出会ったご縁についてのエピソードを振り返ってみようと思います。

ある日、知り合いのお米屋さんから「自閉症の母代表で話をしてほしい」と依頼されたことがありました。このお米屋さんは、身体に優しいお米を提供することに対して想いが強いこだわりのあるお店だったので、子供の健康で悩まれているお母さん達が自然と買い求めにくる背景がありました。自閉症のお子さんを抱えるお母さん達も、よくそのお米屋さんにくるためだということでした。

そして、お米屋さんはそこで知り合った方々に私のことを「自閉症の息子さんがいて頑張って育てている人だよ。お話聞いてみる?」と紹介してくれていたようでした。
お米屋さんは、そういったお母さん方にどうしても笑って欲しいのだという思いがあるように私には受け取れました。そして、私は恐縮しながらもそれがきっかけでミニ座談会のようなものでお話をすることになりました。

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当時の息子は小学校4年生。その頃には、息子はお友達もできて楽しく遊んでいました。そんな息子の姿をみていて、お米屋さんは、同じように自閉症を抱えるお母さん達に何か話してほしいのだと思ったのだと言われました。

初めてのことで、正直、どんな話をすればいいのか皆目見当もつきませんでした。とりあえず息子が、お友達8人くらいとバレーボールをして遊んでいる様子を動画に撮って、当日はその動画をもとに話を進めました。
これまで、お友達と関わることができなかった時期から、お友達ができて、更にグループでも遊べるようになったことを話題にしてみた。このミニ座談会に参加してくれたお母さんは、7人くらいだったのを覚えています。そのお母さん方の子供さんは幼稚園や小学低学年のお子さん達でした。

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私はその場で自分なりに一生懸命に話しました。
でも、話をしていても、そのお母さん達に伝えたいことが響いている実感がもてませんでした。私の話が退屈だったのか…
あまり共感してもらえることなく終わりました。
主催者のお米屋さんは、私の話に感動してくれたものの、私が届けたかった当のお母さん達には、全くといっていいほど届いているとは感じられませんでした。
失敗…そんなふうに考えていたものの、話し終えてから2人のお母さんが声をかけてくれました。
『…変われるものでしょうか?』
私は、
『もちろん!あなた次第で、変われると私は信じています』

声をかけてくれたお母さんは、自閉症が改善するなどということはとても想像しにくかったのだろうと思います。
けれど、声をかけてもらえたことで、私がお話させてもらった中で、何かしら響いたことがあったのかなと想像してほっとしたことも思い出されます。


そして、しばらくしてから、参加してくれたうちの1人のお母さんが私の美容室に来てくれました。当時そのお母さんは、ミニ座談会のときと同じように言葉が少なめで…、表情も豊かさがなく一定の表情だったのをよく覚えています。
私は、お子さんのことというよりも、そのお母さんの方がすごく気になって仕方ありませんでした。
自閉症児の子育ては大変なのだろうな…。だから、お母さんご自身が笑うことを忘れてしまっているのかな?
私に何かできることはないかな?

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振り返ると、当時は気づくとそんなふうに考えていたように思います。
とにかくおとなしい方で、いつも私が一方的にお話をする感じ。
そのお母さんが来店してくださる度に、私は自分の子育て、私自身の話、いろいろな体験談を弾丸のように話し続けていたんじゃないかと思います。

このお母さんとのエピソードを、もう少し丁寧に思い出しながら、改めて書いてみたいと思います。日々の私の子育てに対して、目に留めてくれた人声をかけてくれたことがきっかけで拡がった体験とご縁に関するエピソードでした。今回も最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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