私の応援団
私には応援団がいる。しかし、応援団は声を荒げてきたりしない。穏やかで優しい。そんな応援団を紹介する。
私が弱っている時、応援団はいつもそばにいる。むしゃくしゃしたり、悲しくなった時、気づけば隣にいる。話すと、そうねぇと相槌を打つ。話を聞く。そうなんだね、とこちらが納得するまで傾聴する。優しく身体をなでる。温もりがある。だんだんと気持ちが落ち着き、いつしか寝ている。起きるとスッキリとしている。
応援団に相談しても、そうねぇと何もこたえない。はぐらかしているわけではない。相談内容がわからないということでもない。しかし、いつも相談に対してあれこれ言うことはない。言うとするならば、ゆっくり休むといいよ。お散歩する?といった具合である。私の好きなことを知っていて、それをそれとなくその準備を横でする。
応援団は無理をしていない。疲れたら休む。眠いたいときは寝る。寝始めるとすぐに熟睡している。夢を見るのかといえば、夢は見ないようだ。見た感じはするけど、内容は覚えていないという形である。本人の感覚としては、寝始めてから起きるまで一瞬である。そうして、好きなことをする。遊んだり、何か作ったり、その時々によって変わる。取り組み始めると集中する。そうして、集中した時に必ずする仕草、手を口元に置いたり、身体を小さく揺すったりしている。
応援団は色々な性格を持っている。外に出て何か新しいことを探しにいくこともあれば、家の中で何かひたすら集中していることもある。周囲とかかわる時は、全体の様子を伺う。伺いながらも、自分の意見を言う。うまくやっていく。エネルギッシュで周囲を引っ張っていくこともあれば、黙々と何かを考えることもある。情報を集めて論理立てて考えることもあれば、感情のままに物事を感じて感動している時もある。
応援団は周囲に対して無頓着である。こうしろと強制することもないし、こうするべきだとも言わない。どのような形になってもいいと思っている。しかし、世の中の変化には敏感だ。すぐに気が付く。最近はなんだか元気がないな、このへんはなんだかうまくいっていない。こちらは、活気があるといった形にすぐ気が付く。そうして、その流れに乗る。
応援団は子供のようである。いつも目をキラキラさせている。無邪気である。声をあげて喜んだりということはせず、どこか無口である。しかし、無口なりにも、応援団の内側ではフツフツと嬉しい気持ちが湧いている。それは観察していればわかる。熱中している時、いつもよりも長く熱中したり、リラックスしている時、よりのびのびとする。ご機嫌である。その仕草で喜んでいることがわかる。
応援団は礼儀正しい。マナーを守る。規則を守る。文化を守る。モノを貰えば感謝し、大切にしている。何かと持ち歩いているので、大切なものとわかる。また、大切なモノを集めている場所に置いてある。時と所と場合をわきまえる。周囲を不快な思いにしない。
応援団は穏やかで優しい。自分に対しても優しく、周囲に対しても優しい。落ち着いていて、仕草がゆっくりとしている。余裕がある。応援団は満たされている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?