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研究支援職員の仕事とは?大学にしばらく残るという働き方について

  • 大学院を修了しても就職できない人はその後どうしているのか

  • 研究支援職員という言葉を初めて聞いたので知りたい

  • 大学院に残って仕事をするってどんな感じだろう

大学院の修士課程を修了しても、就職できなかった学生はどう過ごしていくのか気になりませんか?

この場合、実家に戻って就活をするか、実家に戻らずアルバイトをしながら就活をしていくことがほとんどだと思います。

この記事では、実家に戻らずアルバイトをするという選択肢の中でも、大学院に残って研究支援職員として働いていく生き方について経験談から解説していきます。

★研究支援職員の仕事内容がわかります

  • 大学院の研究室に残り、教授陣の研究を手伝う

  • 給料は大学から支給される

  • 非正規雇用なので、結局は就職先を見つけなければならない

  • 就職に失敗した大学院生の一時的な働き口とも言える


就活に失敗し、大学院に残ることになった


当時は研究職を目指して大学院にまで進みましたが、家庭の経済状況の悪化のために博士課程に進むことができなくなり、修士課程での就活を余儀なくされました。

その頃は博士課程に進むことしか頭になく、また「働く」という明確な目標がなかったために就活にはまったく力が入らずに内定を得られないまま修士課程が修了しました。

いわゆる、就職失敗というやつです。

当時はリーマンショックのあおりを受けた就職氷河期の最中でしたので、相応の努力をしなければ就職ができなかった時代でした。

就職先が決まらず途方に暮れていたときに、准教授から「研究支援職員としてしばらく働きながら就職先を見つけてはどうか」という誘いがありました。

研究職への道が断たれ、どんな仕事をしたいのかもわからなかった私は藁をもつかむ思いでその誘いを受けることとしました。

こうして、研究支援職員として働くこととなったのです。

他の研究室で同様の制度があるかは不明ですので、ラッキーだったのかもしれません。

研究支援職員の仕事内容と扱いについて


教授陣の研究を手伝う

研究支援職員の主な仕事内容としては、教授および准教授(以下、教授陣)の研究を手伝うことです。

研究生時代との違いは自分の研究テーマではなく、教授陣の研究テーマに対して作業を行うことにあります。

もちろん、研究生時代に実施してきた技術を用いて研究を支援していきますので、今までの学術研究で培ってきた技術はそのまま活かすことができます。

反面、自分のやりたい研究はできなくなりますので、あくまでもアルバイトとして割り切って仕事をしていくことになります。

私の場合は慣れないアルバイトに身を投じることなく。今までの研究キャリアを活かすことができましたので割と満足して仕事をしていました。

研究室の後輩に技術指導をする

教授陣の研究を手伝うだけでなく、同じ研究室の後輩に技術指導をすることもありました。

自分の研究テーマだった技術については後輩たちも当然使っていくので、それについて指導していくことも仕事の一つです。

また、曲がりなりにも学部生から修士課程までの3年間研究室におりましたので、教授陣が出してくる課題やレポートへの対策方法なども指導することもありました。

あくまでも自分の研究テーマに則した内容に限りますが、後輩を指導する練習ができたのが良い経験となりました。社会人になってからも、この指導スキルを活かすことができています。

扱いとしては「非正規雇用」

研究支援職員という名称から察しはつくと思いますが、非正規労働者として働くこととなります。

また、給与については大学から支払われていることが源泉徴収票からわかりました。

研究支援職員に支払う給与の分研究に使える予算が減るため、いつまでも研究支援職員として働き続けることはできません。

給与も十分とは言えず、今後を考えると早急に就職先を見つけなければいけない状況でした。

あくまでも、就職に失敗した学生の一時的な拠り所といったところでした。

福利厚生は一切ない

研究支援職員は非正規雇用労働者の扱いですが、働く際に雇用契約書のようなものを書かされませんでしたので、一般的な雇用契約とは違うようです。

実際、保険に関しては国民健康保険でしたし、いわゆる福利厚生のようなものは一切ありませんでした。

しいて言えば、引き続き大学内の各施設を堂々と利用できるくらいで、飲食店の「まかない」のようなものも特にはありませんでした。

研究支援職員を続けたからと言って研究職に就けるわけではない


このまま研究支援職員として働き続ければ、研究職の仕事が舞い込んでくるのでは・・・と、思っておりましたが、残念ながらそういったお話は一切ありませんでした。

言ってしまえば「ただのお手伝い」ですので、『助かるよ』という言葉はあっても『そんなあなたにいい話があるんだが・・』とはなりませんでした。

最終的には自分の力で仕事先を探さなければならなかったわけですが、たまたま教授あてに届いたメールから働き口を紹介していただけることとなりました。

およそ半年間の経験でしたが、得るものはありました。

まとめ


★就活に失敗した大学院生の一時的な働き先としての『研究支援職員』

  • 研究予算の一部を給与として頂戴しながら非正規労働者として働く制度

  • 表面上は役に立っているようにみえるが、実際は「お情け」

  • 身につくスキルは「後輩への指導スキル」くらいなので将来性は全くない

働いていた当時は「修士課程の延長で給与をもらいながら過ごせる」と思っていたのですが、正直、歓迎されない身分だったことに気づきました。

『給与はどこから支払われているのか』ということを学生だった当時は知る由もありませんでしたが、社会人になり、雇用についての教養が身についた今だからこそ『お情けだった』と改めて感じることと相成りました。

研究支援職員はなりたくてなるものではなく、働き口がないままに修了してしまった大学院生にとっての一時的な仕事場という位置づけとなります。

以上です。

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